『ブラックパンサー』でも物語の鍵に 万能物質「ヴィヴラニウム」とは何か?

マーベルの万能物質「ヴィヴラニウム」とは

 映画『ブラックパンサー』ではヴィヴラニウムという鉱石が物語の重要な鍵を握ります。コミックの方にも登場しており、マーベルの世界の中で最も有名な鉱物の1つ。ただしコミックと映画で若干の違いがあるので、ここでは映画版を中心に解説しましょう。

 ヴィヴラニウムはブラックパンサーの故郷アフリカのワカンダ国だけで採掘されます。なぜこの国の土地だけにしか存在しないかというと、どうやら地球のものではなく、宇宙からやってきた隕石に含まれていたようです。その隕石が落ちたところがいまのワカンダの場所だったから、地球上でワカンダにしか存在しないのです。ワカンダはこのヴィヴラニウムの力で栄えましたが、世界にその存在を隠していました。しかし諜報機関や犯罪者たちはこのヴィヴラニウムに早くから目をつけていたのです。

 『アイアンマン2』のシールドのモニターには、明らかにワカンダと思われる場所がマークされているシーンが出てきます。しかしそれより以前に、第二次世界大戦が始まるころにはアメリカ軍は密かにこのヴィヴラニウムを手に入れ、アイアンマンことトニー・スタークの父であるハワード・スタークは、それを使ってキャプテン・アメリカの盾を創りました。ヴィヴラニウムの特徴は受けた衝撃を吸収する特性があり、だからキャプテン・アメリカの盾はあらゆる攻撃に耐えることが出来ます。『キャプテン・アメリカ:ウィンター・ソルジャー』では高いビルのエレベーターから飛び降りたキャプテンが盾を先に地面に叩きつけて衝撃を緩和し脱出するシーンがありました。

 そしてブラックパンサーの装着する黒豹を模した特殊スーツにはヴィヴラニウムが使われています。キャプテン・アメリカの盾が服になったようなものですから、そのスーツは弾丸を寄せ付けないし、また高いところから飛び降りてもブーツが衝撃を吸収します。

 しかしながらこのヴィヴラニウムは単に”すごい金属”だけではないすまされない、すごい特性を持っているのです。まずヴィヴラニウムはある種の放射性物質で生態系に影響を与えることがあります。『アベンジャーズ:エイジ オブ ウルトロン』では人工皮膚細胞とヴィヴラニウムが作用して最強の人造ボディが生まれ、それがヴィジョンとなりました。またワカンダではヴィヴラニウムによって植物が影響を受け、ハート型の葉を持つハーブが生まれました。このハーブのエキスを飲むと超人的な身体能力を得られるので、ブラックパンサーはこのハーブを投与されています。従ってブラックパンサーは肉体もスーツもヴィヴラニウムの恩恵を受けているわけでね。

 さらにこのヴィヴラニウムは受けた衝撃=エネルギーを吸収した後、それをため込んで放出出来ることもわかりました。なので相手からパンチを受ければ受けるほどブラックパンサーのスーツにはそのエネルギーがたまって、逆に相手に向けてそれを放つことが可能なのです。ヴィヴラニウムがこのようにエネルギーに反応する際は青白い光を発します。この特性をうまく利用して飛行メカや様々なテクノロジーが可能になりました。『アベンジャーズ:エイジ オブ ウルトロン』のウルトロンは、このヴィヴラニウムを大量に使った超強力な浮遊装置を作り上げ、ソコヴィアの街を宙に浮かせました。

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