ライブ中のスマホ撮影ルール、海外での常識が変化? ケンドリック・ラマーの報道を機に考える
2月にケンドリック・ラマーが自身のコンサートでのスマホ撮影を禁止するとの報道があった。しかしその後、ケンドリック・ラマーはオフィシャルカメラマン以外のプレスカメラ陣の撮影を禁止しただけで、観客によるスマホでの撮影は今まで通り許されることが明らかになった。なぜこの報道は大きな話題となったのか。海外でライブ中のスマホ撮影についての常識が少しずつ変わり始めている。
日本では当たり前とされる、ライブ中の撮影禁止ルール。特にロックフェスやアイドルのコンサートなど大きい規模のライブでは、スマホでの撮影を禁止していることが多い。写真や動画を勝手に撮ってSNSなどに投稿する行為を防ぐためである。一方、海外ではスマホ撮影を禁止しているコンサートは珍しく、大規模フェスでは、多くの観客が片手でスマホで撮影しながらライブを楽しむ光景をよく目にする。アーティスト側から撮影を禁止を言い渡すケースが海外では珍しかったために、現地のケンドリック・ラマーのファンは今回の報道に驚いたのだろう。
しかしここ数年で、ライブ中の観客による撮影を禁止するアーティストが海外でも増えてきている。例えばジャック・ホワイトは、次のツアーでは会場でのスマホなどの機器の使用を禁止すると発表した。携帯を使用するためのブースを設置し、そこでのみ使用を許可。あとはライブをしっかりと楽しんでもらおうと考えているようだ。
過去にはアメリカのYondrという企業が、ライブ中にスマホを使えなくする携帯ポーチを開発。ライブ会場内ではポーチにロックが掛かり、スマホを取り出すことができなくなるという仕組みである。2016年にはアリシア・キーズがライブ会場で実際に同ポーチを導入し、スマホ機器の使用を禁止した。昨年末開催されたMisfitsの再結成ライブも、このポーチで観客のスマホをロック。Guns N' Roses、Cage The Elephantなどの大物アーティストも使用している。