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数枚のEPリリース後、03年に衝撃のデビュー作『フィーバー・トゥ・テル』で一気に大ブレイク(英米共にゴールド・ディスク、グラミー賞ではベスト・オルタナティヴ・アルバムにもノミネートされた)を果たしたヤー・ヤー・ヤーズ。01年のストロークス登場以降、にわかに注目を浴びるようになったニューヨークの音楽シーンにおいてもひときわ異彩を放ち続けるグループのひとつだ。特にヴォーカル、カレンの喘ぐような破天荒でエロティックな歌唱法と、キュートなビッチ感には誰しもハッとさせられ、アッというまに心を奪われる。例えばライアーズやラプチャー、レディオ4にインターポールなど同時期に登場したニューヨークのバンド達にはどれも80年代初頭のポストパンク・ムーブメントのように、実験的な音楽性をポップなモノとして一般的なレベルにまで認知させようというもくろみがあるかのような流れが存在していたのだが、完成までに3年を要した2ndアルバム『ショウ・ユア・ボーンズ』において3人は既にその地点さえも越えた場所へと行こうとしているかのようにも思える。1stのリリース後、3人はそれぞれがサイド・プロジェクトへと没頭、ヴォーカルのカレンは人生の大半を過ごしたニューヨークを離れ、LAへと新たに居を移している事からも察せられるとおり、メンバー間の心境もまた日々変化してきているのだ。繰り返されるライヴの果てに作品へと昇華した1stとは違い、ほぼ全曲が一から作り上げた新曲で構成された2ndは、時にホワイト・ストライプスのようなデカダンな雰囲気さえも宿っていて、非常にダイナミックなロック・アルバムとしての仕上がりを見せている。現在制作進行中だというカレンのソロ作品も含め、絶妙なバランス感の元で、ヤー・ヤー・ヤーズは先のまったく読めない道をこれからも歩いて行きそうだが、とりあえずその都度必ず“何か”をかましてくれることにまず間違いはないだろう。