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「ロンドンは燃えている!」——そう、たしかに熱く燃えていたのだ。「オレたちはあくまでもパンクにこだわる。オレたちの生き方を伝えるもの、それがパンクであり、オレたちが最後のパンクだ」という言葉のとおり、愚直なまでにパンクを体現した男ジョー・ストラマー(vo&g)。彼をリーダーとしたミック・ジョーンズ(g)、ポール・シムノン(b)、トッパー・ヒードン(dr)によるクラッシュは、77年に1stアルバム『白い暴動』をリリース——。政治的なメッセージを込めた、薄汚く安っぽいガレージ・サウンドを荒廃したストリートにガンガンと叩き込んだ。それは、失業/階級制度/退屈といった、ロンドンの若者たちが内包していた苦悩、怒りといったものを如実に反映した、まさに「ストリートのためのサウンド」であったのだ。
また、デビュー当時からレゲエを始めとするブラック・ミュージックへの憧れを抱いていた彼らは、79年には傑作『ロンドン・コーリング』を生み出し、その後も、ダブ/ファンク/ロカビリー/ジャズ/サンバ/カリプソなどさまざまな音楽性を取り込み、『サンディニスタ』(80年)、『コンバット・ロック』(82年)といった作品に結実させていく。しかし、ミック・ジョーンズの脱退後、ストラマーの貧欲な探究心はサンプリングにまで手を出してしまう。——が、『カット・ザ・クラップ』(85年)は、酷評されセールス面でも失敗、これまでの栄光とは裏腹にひっそりとその幕を閉じることになる。
——だが、かつて「ビートルズもローリング・ストーンズもエルヴィス・プレスリーも必要ない」と歌ったレベル・ロッカーとしての軌跡は輝かしく、今もパンク・シーンに深い爪あとを残していることは周知の通りだろう。

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