マスターベーションの記事・ニュース・画像一覧
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マスターベーションは、80年代前半の日本のアンダーグラウンド・シーンを代表するパンク・バンドの一つだ。81年5月に京都で結成。当初のメンバーは、卑龍(vo&g)、神風(dr)、ロス(b)だった。翌年2月がデビュー・ステージで、まもなく東京でもしばしばライヴをやるようになるのだが、当時ライヴ中によく卑龍は自分の体をカミソリで切り刻んでいた。
初の音源発表は、83年2月に<CITY ROCKER>からリリースされたコンピレーション盤の『Outsider』。続いて、名曲「兵士トナッテ戦場ヘムカエ!」収録のEPを<ADK>から出す。マスターベーションにはツー・ビートの速い曲もあるが、ルーディメンタリー・ペナイを思い出すスロー〜ミッド・テンポの曲が多く、当時(今においてもだが)のシーンの中でも異色だった。ゴシックとは違う日本的なダークな色彩の音だけでなく、暗部に焦点を当てたような日本語の歌詞も含めて、ドロドロした雰囲気を作り出していた。
その後メンバーが抜け、卑龍はマスターベーションの拠点を東京に移した。84年には、奇形児のメンバーのタツシがベース、後にザ・原爆オナニーズやスタークラブ、ブランキー・ジェット・シティで叩くタツヤがドラムに、メンバーが固まる。この編成で、音の抜けがよくなった。まもなくソノシートの『死顔』を出し、85年の頭にはミニ・アルバム『被害妄想』をリリースした。しかし同年3月のステージが、マスターベーションのラスト・ライヴとなった。
それから卑龍は、タツシや奇形児のヒロシらと共にトランスフォーマーを結成。ミニ・アルバム『Manoeuvre』を出したが、まもなくシーンからは姿を消した。 (行川和彦)