『踊る大捜査線 THE MOVIE』は原点にして異色作? 当時を知るライターが時代背景を解説

『踊る大捜査線 THE MOVIE』原点にして異色作?

 9月18日に公開される、シリーズ最新作『踊る大捜査線 N.E.W. メトロポリスを駆け抜けろ!』。公開を記念して、『土曜プレミアム』(フジテレビ系)では『踊る大捜査線』過去シリーズが一挙放送される。8月15日には劇場版第1作となる『踊る大捜査線 THE MOVIE』(以下、『1』)が放送。国民的シリーズとなった劇場版の原点ともいえる作品だが、当時を知るファンは本作をどのように受け止めていたのだろうか。ドラマライターの成馬零一氏は「“知る人ぞ知る作品”の中ではそれなりに有名なくらいの作品」だったと語る。

「大雑把にいうと、当時のテレビドラマは2つに分かれていました。1つは放送期間中は高視聴率を取って盛り上がるけど、1クールで終わる作品と、もう一方は放送中はそこまで高視聴率ではなかったけれどマニアックなファンがついて、放送終了後も人気が続いて、スペシャルドラマや映画といった形で続編が作られるもの。そういう作品はビデオやDVDのboxセットも売れて、レンタルビデオでも人気でした。私は“ソフト商品”という言い方をしていますが、テレビドラマでもそういう作品が現れ始めました。『踊る大捜査線』も放送当時は、そこまで視聴率が高かったわけではないが、マニアックで熱狂的なファンを生んだ作品で、もっというと“オタク的なドラマ”として観られていました。『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』(以下、『2』)からは“国民的コンテンツ”のような扱いになりましたが、映画化される直前の『踊る』は大ヒットドラマではなく、“知る人ぞ知る作品”の中ではそれなりに有名なくらいの作品でした」

 また、『踊る大捜査線』は「テレビドラマがアニメのような消費のされかたをした最初の作品」でもあるという。

「普及したばかりのインターネットも巻き込みながら、ファンがイベント的に盛り上げていった最初のゴールが劇場版だったのですが、それがまさかの大ヒットになった。だからどちらかというとアニメに近い見られ方をしていた。『1』のちょうど1年前に映画『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』がテレビシリーズの完結編として大ヒットしていますが、古くは『機動戦士ガンダム』や『機動警察パトレイバー』シリーズと近い、“アニメ的”な消費のされかたがテレビドラマの中に入ってきた最初の作品といえると思います。そもそも監督の本広克行さんが『パトレイバー』からすごく影響を受けていたり、作中に『エヴァ』の音楽を使ったりしていましたからね。マニアックな小ネタが散りばめられたドラマも、今でこそ普通になっていますが、当時の他の恋愛ドラマや野島伸司作品などと比較すると異質でしたね」

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