『風、薫る』再びの東京で直美と小川が急接近 一方で相変わらずなりんとシマケンの距離感

NHK連続テレビ小説『風、薫る』第20週が幕を開け、舞台は再び東京へ。第96話では、りん(見上愛)が派出看護の仕事をスタートさせる。この回で描かれるのは、りんの再出発と、彼女が不在だった間の様々な変化だ。
新潟の村で赤痢の防疫に奮闘する過程で手の震えを克服し、また直美(上坂樹里)と一緒に働きたいと願ったりん。直美が恵風看護婦会を立て直すまでの間、りんは黒川(平埜生成)の病院で看護婦として働くことになった。

あれから1年。ついに東京に帰ってきたりんを、直美や環(英茉)ら家族全員が迎える。嫁入り以来、久しぶりの登場となった安(早坂美海)は宗一(上杉柊平)との子を妊娠していた。つまり、美津(水野美紀)にはもうすぐ2人目の孫ができるのだ。なまじパワフルな女性なので、いつまでも若々しいイメージがあるが、彼女も刻々と年齢を重ねている。元気なようでいて、身体には変化が現れるもの。美津は頻繁に腰を痛め、湿布が手放せなくなっていた。「やっぱり年には勝てないのですかねえ」と弱々しく笑う姿がなんだか物悲しい。本当にただの腰痛で、何かの病気が隠れているとかではないといいのだが……。
そして直美はりんとの約束通り、恵風看護婦会の経営を軌道に乗せていた。新潟から戻った柳生(中村倫也)が内務省衛生局に「赤痢の死亡率を1割で抑えたのは奇跡に近い」と直美たちの活躍を報告したことで、派出看護の申し込みが激増したようだ。そのため、直美はしのぶ(木越明)の他に2人のトレインドナースを雇い、どうにか依頼をさばいていた。

そこへ新たに加わることになったりんは看護婦としての経験豊富な即戦力だ。直美にとっては誰よりも心を許している相棒であり、この上なく心強い存在だろう。直美は「しっかりお給金、払えるから安心して」と告げ、りんはさっそく5日間泊まり込みで慢性胃炎の患者を看護することになった。

何も変わらないと思ってみても、やはり時間が経てばそれなりにいろいろなことが変化している。この1年、ほとんど休みなく働いていた直美だが、しのぶ曰く土曜日だけはときどき休暇を取っていたようだ。それは、小川(甲斐翔真)に会うため。りんが帰ってきてすぐの土曜日も直美は小川とデートに出かける。デートと言っても、団子屋で話をするくらいのこと。それでも無邪気にりんの話をする直美を、小川は「直美さんの大好きなりんさんにいつかお会いしたいものです」と幸せそうに聞いていた。
その帰り道、直美が履いていた草履の鼻緒が切れ、小川がおぶって自宅まで送り届ける。小川が直美を下ろした瞬間、視線がぶつかり、そのまましばし見つめ合う2人。まるで彼らの鼓動の音が聞こえてくるかのような緊張感だった。その距離感自体は以前と変わらないかもしれないが、お互いへの気持ちは確実に高まっていっているように見える。
変わらないのは、りんと島田(佐野晶哉)の関係くらいだろう。新潟を訪れた際に、密かにずっと思い続けてきたりんにようやく「愛おしいです」と言葉にして伝えた島田。あれは歴とした告白だと筆者は捉えていたが、以降も2人の関係に大きな進展はなかった。直後に赤痢が発生し、それどころでなかったのだろうが、あまりにもどかしい2人の恋愛模様。りんが東京に戻ってきたというのに、島田がすぐに会いにいかず、部屋で物思いに耽っているのはなぜなのか。彼が一歩を踏み出せずにいる理由が気になるところだ。
■放送情報
2026年度前期 NHK連続テレビ小説『風、薫る』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00~8:15放送/毎週月曜~金曜12:45~13:00再放送
NHK BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜8:15~9:30再放送
NHK BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:見上愛、上坂樹里
脚本:吉澤智子
原案:田中ひかる『明治のナイチンゲール 大関和物語』
制作統括:松園武大
プロデューサー:川口俊介
演出:佐々木善春、橋本万葉ほか
写真提供=NHK





















