『さよならノワール』最終話が問いかけた“ノワール”の意味 小池栄子がたどり着いた答え

忘れてしまった方が楽なこともある。それでも、自分が何を失い、何を抱えて生きてきたのかを知ることが、前へ進むためのきっかけになる場合もある。『さよならノワール』(フジテレビ系)最終話で描かれたのは、夏海(小池栄子)が追い続けてきた山崎(渡部篤郎)の過去と、彼と向き合う中で夏海自身が何かを取り戻していく過程だった。
夏海と河口(眞島秀和)の目の前で銃撃された山崎。幸い弾は貫通し、重傷は免れたものの、山崎は過去の記憶を失っていた。西池袋署署長の妹尾(利重剛)は、夏海に山崎の支援を命じ、その様子を逐一報告するよう求める。

夏海自身にとってかつての上司であるとはいえ、今の山崎は闇カジノで働いていた人物でもある。犯罪に関わっていた可能性のある人物を支援するのは、夏海にとっても簡単なことではない。さらに、フロアレディとして働いていた紗耶香(中村里帆)の支援も続いている。踏ん切りがつかない夏海に、貴子(戸田恵子)は「黒木さんが失った何かを取り戻せる気がする」と声をかける。
その言葉に背中を押され、「迷ってる場合じゃないですね」と覚悟を決めた夏海は、絵梨子(北香那)とともに山崎のもとへ。銃撃された際、なぜ夏海が自分を係長と呼んだのかと尋ねる山崎に、夏海は、かつて山崎が刑事であり、自分はその部下だったと明かす。だが、山崎の記憶は戻らない。

むしろ山崎は、刑事だった自分がなぜ闇カジノで働いていたのか、思い出さない方がいいんじゃないかと戸惑う。過去を知ることへの怖さをにじませる山崎に対し、夏海は疑うよりも先に、かつての上司を信じる姿勢を崩さなかった。
一方、絵梨子は紗耶香の支援を続けていた。取り調べを前に不安を募らせる彼女に対し、絵梨子は同席して支えることを約束する。かつては夏海の言動に戸惑い、ときに振り回されていた絵梨子も、今では相手が何を怖がっているのかを考え、自分から手を差し伸べられるようになった。これまで多くの被害者と向き合ってきた時間が、絵梨子の中に少しずつ積み重なっていたことが分かる場面だった。





















