『オデュッセイア』北米No.1、「最高傑作」と話題 ノーラン史上最高のスタートに

『オデュッセイア』北米No.1、最高傑作と話題

 クリストファー・ノーラン監督の最新作『オデュッセイア』が、7月17日~19日の北米映画週末ランキングでNo.1に輝いた。北米3919館で、週末3日間の興行収入は1億2450万ドル。海外73市場では1億3956万ドルを稼ぎ出し、世界初動成績は2億6406万ドルとなった。

 北米・世界ともに、2026年公開作品としては『トイ・ストーリー5』『ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー』に次ぐ第3位の好発進。実写映画としては今年最大のスタートだ。ユニバーサル・ピクチャーズの事前予測では、北米で8500万~1億ドル、世界で約2億ドルだったが、いずれも大きく上回った。

 本作は、ホメロスの叙事詩を映画化した神話的アクション大作。トロイア戦争を終えたイタケーの王オデュッセウスが、故郷と妻ペネロペのもとへ帰るため、数々の苦難が待つ冒険の旅に出る。オデュッセウス役をマット・デイモン、妻ペネロペ役をアン・ハサウェイ、息子テレマコス役をトム・ホランドが演じ、さらにロバート・パティンソン、ルピタ・ニョンゴ、ゼンデイヤ、シャーリーズ・セロンら豪華キャストが結集した。

『オデュッセイア』photo by Melinda Sue Gordon ©︎ Universal Studios. All Rights Reserved.

 いまや製作されること自体が珍しい歴史スペクタクル大作かつ、約3時間もの長尺でR指定。興行のハードルは高いが、北米ではR指定作品として『デッドプール』シリーズ3作品に次いで歴代第4位のスタートを記録した。ユニバーサル配給のR指定映画として、また2026年のR指定映画としても過去最高の発進だ。

 ポイントのひとつは、鑑賞動機のNo.1が「クリストファー・ノーラン監督作だから」の51%だったこと。キャスト全体が44%、主演のデイモンが27%だから、これだけのオールスターキャストを揃えてなお、監督人気が役者人気を上回る稀有な例となった。

 北米では『ダークナイト ライジング』(2012年)と『ダークナイト』(2008年)に次いで、ノーラン作品として歴代第3位。また世界初動では、『ダークナイト ライジング』の2億4900万ドルを抜いて最高記録を更新している。

 ヒットの条件である若年層も見事につかんだ。前作『オッペンハイマー』は、『バービー』(2023年)との同日公開が「バーベンハイマー現象」として話題を呼び、初週は18~34歳の観客が全体の約6割だった。『オデュッセイア』は前回のような相乗効果こそなかったものの、18~34歳が観客の半数を占めている(25~34歳が年代別では最多)。

 また、観客の43%は映画館に足を運ぶのが数カ月に一度、あるいは年に数回という低頻度層であり、熱心な映画ファン以外を動かしたのも特徴。上映当日にチケットを購入した観客も多く、当日需要も強かった。週末の北米観客数は約750万人で、『オッペンハイマー』初週の約590万人を大きく上回ったという。

 こうした動きの背景にあるとみられるのが、「ノーラン最高傑作」と呼ばれるほどの高評価ぶりだ。Rotten Tomatoesでは批評家スコア95%・観客スコア97%、映画館の出口調査に基づくCinemaScoreでは「A」スコアを獲得。別の出口調査では81%が「ぜひ勧めたい」と答えており、早くも賞レースを席巻することさえ期待されている。

『オデュッセイア』photo by Melinda Sue Gordon ©︎ Universal Studios. All Rights Reserved.

 もともとユニバーサル・ピクチャーズは、『オデュッセイア』をイベント映画として設計。IMAXカメラで全編を撮影した史上初の長編映画であり、「映画館で観るべき」作品だとアピールしていた。IMAXも撮影・公開戦略に深く関与し、公開1年前にIMAX 70mmフィルム上映のチケットを発売するや、各地で完売が相次いでいる。

 実際に北米では、IMAXを含むプレミアム・ラージ・フォーマット上映の週末興収が全体の53%を占めた。IMAX単独での興収は、北米では2960万ドルで全体の約24%。この市場占有率は、『インターステラー』(2014年)と『オッペンハイマー』に次いでIMAX史上3番目の高さだ。

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