【今夜放送】『キングダム』特別編で振り返る、“信”山﨑賢人ד王騎”大沢たかおの絆

因縁の相手ともいえる龐煖の存在を確認し、打ち倒すために戦場へと向かう王騎の姿は、それまでのどこか達観して、高みから見下ろすようなところが消えた。予告編で流れた、大矛を軽々と担ぎながら、前方をにらみつけるようにして「血が沸き立ちます」と叫び、同じような巨大な矛を持った龐煖と切り結ぶ姿に、シリーズでも屈指の熱さを感じた人も多かっただろう。
本編はさらにすさまじかった。普段より20㎏も増量した肉体を少しも重たいとは感じさせず、矛をふるって龐煖と切り結ぶ。その龐煖も、演じる吉川晃司がシリーズを通して大沢が挑んできた役作りに倣い、増量して対峙するにふさわしい肉体を作り上げた。激しいアクションもこなし、これまたシリーズ屈指の名シーンを繰り出した。そこには、役になりきろうとした大沢や吉川、そして山﨑も含めたキャストたちの努力も、当然のように効果を発揮している。

龐煖をあと一太刀というところまで追い詰めたときに、敵の趙の軍勢が新たに現れ形勢が逆転し、王騎の運命も大きな転機を迎える。17日公開の最新作『キングダム 魂の決戦』が、王騎ではなく別の将軍たちの戦いになっていることで、何が起こったかはおよそ理解できるだろう。
原作やアニメでも通ってきた、シリーズにとって大きな岐路であり、もしかしたら衰退への曲がり角になったかもしれない。そんな窮状に潰されることなく、シリーズが未来へと繋がったのは、そこに信がいたからだ。
王騎から将軍とは何かを教えてもらい、戦いの場で実感させてもらい、傍らで共に戦う機会を与えられたことで信は成長した。王騎自らの「これが将軍の見る景色です」という言葉によって、自分がそこに立つのだという心構えを得た。第4作のサブタイトルにある「大将軍の帰還」という言葉は、もしかしたら王騎の戦場への帰参と同時に、新たな大将軍の秦への帰還を意味するものだったのかもしれない。第1作での出会いから始まって、シリーズの中で積み重ねられてきた信と王騎の関係を見守ってきた人なら、そういった思いも浮かぶだろう。

こうまで感動的で、なおかつ完璧なドラマを見せられてしまうと、『魂の決戦』のどこに気持ちを乗せればいいか迷うかもしれない。ただ、山﨑の年季が入った演技は、戦いを経て成長している信そのものを表していて、いっしょになって見守っていきたい気にさせる。勝矢が演じるドドンドおじさんこと汗明は、元よりの巨体を鎧で包んでド迫力の戦いぶりを見せてくれそう。王騎に絡む後悔を抱きながら戦い続ける蒙武との一騎打ちが楽しみだ。
何より千人将になった信が、味方の若き将軍たちと並び立ってどのような将軍ぶりを見せるかが気になって仕方がない。舞台は函谷関の戦いだ。史実では、秦が楚・趙・魏・韓・燕といった国々の合従軍に攻められ、最大の危機に陥った戦いで、これを乗り切ったことで秦による中華統一への道が開ける。映画では果たしてどのような戦いになるのか。合従軍に集まった多彩な人物たちがどのような武や知略を繰り出し、それを信や若き将軍たち、そして中心にいる嬴政がどう乗り切っていくのか。
そこには王騎から受け継いだ思いがどれだけ役立っているのか。観て確かめるしかない。
■放送情報
特別版『キングダム -信と王騎と将軍と-』最新作公開記念SP
日本テレビ系『金曜ロードショー』にて、7月17日(金)21:00〜23:24放送
※30分拡大
出演:山﨑賢人、吉沢亮、橋本環奈、清野菜名、杏、山田裕貴、新木優子、吉川晃司、髙嶋政宏、要潤、加藤雅也、山本耕史、草刈正雄、長澤まさみ、玉木宏、佐藤浩市、小栗旬、大沢たかおほか
監督:佐藤信介
脚本:黒岩勉、原泰久
原作:原泰久 「キングダム」(集英社『週刊ヤングジャンプ』連載)
音楽:やまだ豊
©原泰久/集英社 ©2023映画「キングダム」製作委員会
©原泰久/集英社 ©2024映画「キングダム」製作委員会





















