【今夜放送】『キングダム』特別編で振り返る、“信”山﨑賢人ד王騎”大沢たかおの絆

7月17日の日本テレビ系『金曜ロードショー』で『キングダム -信と王騎と将軍と-』が放送される。原泰久の漫画を原作にした映画『キングダム』のシリーズで、大沢たかおが演じて圧巻の戦いぶりを見せた王騎が、主人公の信と出会い、大将軍になるという彼の夢を繋げるために果たした役割を振り返る。同じ17日に公開のシリーズ第5作『キングダム 魂の決戦』にも引き継がれているだろう王騎の存在を、見て今一度感じ取ろう。
無鉄砲にもほどがある。信のことだ。シリーズ第1作『キングダム』(2019年)で、秦王の嬴政が王弟の成蟜と将の魏興に迫られた場所に軍勢を率いて登場し、場を鎮めた王騎に向かって「俺の名は信。覚えておけ、俺はいずれ、天下の大将軍になる男だ」と言ってのける。
無礼ですよと大矛で両断されてもおかしくない。そうでなくても、無視して立ち去ってもいいくらいの格差が身分的にも力量的にもありながら、王騎は「また、熱い時代が来ようとしているのかもしれませんね」とつぶやき、振り向いて「童信、次は本物の戦場で会いましょう」と語りかけて場を立ち去る。

直前に、信が嬴政を守ろうとして、斬りかかってきた魏興をすばやく切り伏せる動きを見たからかもしれない。それだけの配下を持つ嬴政を見直すきっかけにもなっただろう。信を演じた山﨑賢人が、無鉄砲でも大きな夢を堂々とぶちまける信の熱さとまっすぐさに、信憑性を与える演技を見せていたことも、そのシーンに説得力を与えた。
原作がそうだから、シナリオがそうなっているからといって、ただ演じてもそのシーンなりその人物に説得力が出ない。『キングダム』のシリーズはそこで、絶妙のキャスティングであり絶好の演技によって、スクリーンの中で起こっている出来事に熱を与えた。観る人を、秦による中華統一という偉業の場に、いっしょに立っている気にさせた。

そうしたキャスティングと演技の素晴らしさを、最高レベルで見せてくれていたのが王騎を演じた大沢たかおだ。巨体で大矛を振り回して向かう敵を吹き飛ばす最強の武人でありながら、強面ではなく常に笑みをたたえた表情で、丁寧な言葉でしゃべって不思議な感じを醸し出す。捉えようによっては薄気味悪い感じもあったその王騎に、大沢は体重を増やし手足を太くすることでビジュアル的に近づいた。表情と口調も含めて漫画から、あるいはアニメから抜け出てきたようだと思わせた。
メイクやCGではどこか足りなくなる空気感を漂わせたことで、最初の登場からそれが原作やアニメでも人気のキャラだということと関係なく、誰もが王騎と演じる大沢に興味を持っただろう。
続く『キングダム2 遥かなる大地へ』(2022年)で、敵の大群を前に臆する信のところに現れた王騎は、「期待外れもいいところです」と挑発する。そして、魏の大軍に秦の将軍・麃公が突撃をかけた場面を丘の上から見下ろしながら、将軍が戦いにかける執念のようなものを信に言って聞かせる。その後、王騎のところへ押しかけ修行をつけてもらった信は、続く『キングダム 運命の炎』(2023年)で共に嬴政の元へと参じる。

このときはもう、信は王騎にとって突っかかってくる若造ではなく、嬴政が目指す中華統一を共に実現するために戦う仲間のようになっていた。王騎は、信に百人隊を率いさせ、「飛信隊」の名まで与えて危険だが重要な任務に就かせる。犠牲をはらいながらも任務をやり遂げたことで信は成長した。大将軍の域にはまだ遠くても、そこに近づく道は得た。
無鉄砲から始まった2人の関係が、向き合い重なり合ってそして次へと繋がる。その繋がりを描いたのが、シリーズ第4作目の『キングダム 大将軍の帰還』(2024年)だ。




















