『風、薫る』りんと直美の恋愛観は正反対? ダブルヒロインだからこそ面白い2人の魅力

NHK連続テレビ小説『風、薫る』の第13週「白日の夢」で、りん(見上愛)は外科の看護婦取締になり、直美(上坂樹里)は内科の看護婦取締という役職に就いた。看護の仕事をするだけでなく、帝都医科大学附属病院で看護婦を育成することになり、ヒデ(池田朱那)やタマ(川島鈴遥)など学生に教える立場にもなってしまった。
以前から看病婦として働いていたツヤ(東野絢香)が「自分も看護の勉強をしたい」「看護婦として働きたい」と申し出て、りんは自分も忙しいのにツヤを気遣い、心から応援していた。
だが、睡眠時間を削って必死に勉強していたツヤは仕事でミスをして解雇されてしまう。応援の甲斐なく、ツヤのことも庇うことができず落ち込むりん。追い打ちをかけるように、第14週「ウソと誠」では期待されていた優秀な見習生のヒデが辞めてしまった。
ヒデは自分なりに看護の仕事に理想を持っていたのだが、目の前で仕事と責任を抱え込み、ツヤが解雇になっても何もできず落ち込むりんに絶望したのだった。言い訳も主張もせずに曖昧な笑顔を浮かべるりんとヒデ、腹を割って話す時間さえ持てないのが悲しい。

りんと付き合いの長い直美は、自分が休まないと見習い生たちも休みを取りづらいからと率先して休み、食事の時間もしっかり確保。放っておくと食事さえ抜いて仕事に没頭するりんのために大きなおにぎりを持参していた。仕事の仕方も管理も、教え方もまるで正反対のヒロイン2人。一緒の家に暮らし始め、看護婦として正式に働き始めてから、その違いがくっきりと鮮やかに浮かび上がってきたのが面白い。
りんと直美の恋愛への向き合い方、恋愛観を比較してみると、その違いがより際立ち、それぞれの魅力を改めて理解できることに気づく。仕事熱心で、責任感の強いりんが仕事で落ち込んでいるとき、帝都医大病院に入院している友人の見舞いに訪れた陸軍二等軍曹・小川吾郎(甲斐翔真)と出会った。

食事制限のある友人に手土産を食べさせようとする小川とそれを厳しく止める直美の出会いは最悪だったが、マイナスの出会いというのは次に会うときから魅力が加算方式に変わるもの。その法則通りに次に会ったときに小川は直美に非礼を詫びた。それだけではなく、初めて看護婦の仕事を知り、自分の上官に対する尊敬の念のようなものを看護婦の直美に対して抱いていることを素直に伝える。
直美のように頼れる家族の存在がなく、たくましくならざるを得なかった女性にとってまっすぐで、嘘のない誠実な男性というのは安心できる存在として好ましく感じられるもの。強かに見えても傷つきやすく、不器用なところがあって、家族という存在に憧れを持つ直美をそのまま受け止めてくれるのは、小川のような気取らない純朴な男性のような気がする。




















