宇野維正の映画興行分析
『黒牢城』好スタート! 黒沢清監督作品の歴代最高のヒットとなるのは確実

6月第3週の動員ランキングは、『Michael/マイケル』が週末3日間で動員48万6000人、興収8億円をあげて2週連続1位。公開から10日間の累積動員は168万7000人、累積興収27億3100万円。先週末との興収比73%と高い水準をキープしているが、もし日曜日がワールドカップの日本×チュニジア戦と重なってなければもう少し上積みできたはず。7月3日に『トイ・ストーリー5』が公開されるとスクリーン数が大幅に減少する可能性もあるが、それまでにどれだけ他作品をぶっちぎれるかが興収100億円突破の条件となるだろう。
『プラダを着た悪魔2』の大ヒット(公開から52日間で興収52億700万円)や『スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー』の世界的にも異例の粘り強さ(公開から31日間で興収27億8100万円)もあって、5月から6月にかけて近年では非常に稀な「実写洋画優勢のランキング」が続いていたが、先週末はトップ3に2作の実写日本映画がランクインした。
2位に初登場したのは米澤穂信原作、黒沢清監督、本木雅弘主演の『黒牢城』。オープニング3日間の動員は19万6000人、興収は2億7400万円。今年のカンヌ国際映画祭のカンヌ・プレミア部門にも正式出品されて称賛を集めた同作だが、国内興行でも上々の滑り出しで、黒沢清監督作品として過去最大のヒットとなるのも時間の問題だ。
3位に初登場したのは河合勇人監督の『免許返納!?』。オープニング3日間の動員は11万4000人、興収は1億5200万円。主演の舘ひろしが、1994年公開の森田芳光脚本作品『免許がない!』の人気俳優、南条弘役を再演しているという意味では、実は日本版『プラダを着た悪魔2』とも言える作品でもある(違うか)。
『黒牢城』は松竹、『免許返納!?』は東映、両配給会社にとって久々の実写作品でのヒットとなっていて、ウィークデイに入ってからの興行も堅調だ。もっとも、ウィークデイに強いということは、観客が年配層に偏っている証拠でもある。明確にその層をターゲットにしている『免許返納!?』はともかく、『黒牢城』にはここから観客層の幅が広がっていくことを期待したい。
■公開情報
『黒牢城』
全国公開中
出演:本木雅弘、菅田将暉、吉高由里子、青木崇高、宮舘涼太、柄本佑、ユースケ・サンタマリア、吉原光夫、坂東龍汰、近藤芳正、矢柴俊博、木原勝利、河内大和、吉岡睦雄、上川周作、前田旺志郎、坂東新悟、荒川良々、渋川清彦、渡辺いっけい、オダギリジョー
監督・脚本:黒沢清
原作:米澤穂信『黒牢城』(角川文庫/KADOKAWA刊)
音楽:半野喜弘
配給:松竹
©米澤穂信/KADOKAWA ©2026 映画「黒牢城」製作委員会
公式サイト:https://movies.shochiku.co.jp/kokurojo-movie/
公式X(旧Twitter):https://x.com/kokurojo_movie
『今週の映画ランキング』(興行通信社):https://www.kogyotsushin.com/archives/weekend/





















