仲間由紀恵が作品にもたらす“安心感” 『花子とアン』『ちむどんどん』から『風、薫る』へ

そして、3度目の出演となった『ちむどんどん』(2022年度前期)では、ヒロイン・暢子(黒島結菜)の母親・優子として、物語の最後まで素直に突き進む娘の活躍を見守り続けた。森に囲まれた沖縄北部のやんばる地域で4人の子を育てる彼女は、周りから心配されるほどのお人好しな性格。それでも、やんちゃでトラブルを起こすことの多かった長男の賢秀(竜星涼)や、末っ子で病気に臥せることが多かった歌子(上白石萌歌)のことも気にかける優子の大らかさを、仲間はすべてを包み込むような温かな眼差しを湛えて演じる。俳優キャリアを重ねるごとに、ヒロインの友人から母親へと演じる役柄を変化させながらも、内に隠した芯の強さは変わらずに感じられるのが仲間の芝居の凄みだろう。
さらに、2025年はドラマ『小さい頃は、神様がいて』(フジテレビ系)で主演の北村有起哉とともに、離婚を決めた夫婦のささやかな日常と小倉家で繰り広げられるユーモア溢れるやりとりを披露する。脚本を務めた岡田惠和が描く温かなホームコメディにおいても、夫の渉と話すときと子どもたちと話すときの温度感の違いを絶妙に表現するなど、仲間の存在は多様な家族が暮らす物語に安心感をもたらしていたように思う。

仲間は『風、薫る』に千佳子役として出演が決まった際に「台本を読み、どのような時でも凛としている姿に、なんて誇り高い人なんだろうと、尊敬と憧れの念を抱きました」とコメントしている(※)。どこか蓮子のような気高さを感じさせるキャラクターだが、伯爵家の奥方として周りから丁重に扱われるなかでも、内に秘めた誰にも言えない思いがあるはずだ。
患者にとって病院は、ずっと留まる場所ではない。しかし、風のように過ぎ去っていく存在だとしても、目指すべき看護婦の在り方に思い悩むりんにとって、このタイミングで出会う千佳子は強く記憶に残る人物になるに違いない。
参照
※ https://realsound.jp/movie/2026/02/post-2316168.html
■放送情報
2026年度前期 NHK連続テレビ小説『風、薫る』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00~8:15放送/毎週月曜~金曜12:45~13:00再放送
NHK BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜8:15~9:30再放送
NHK BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:見上愛、上坂樹里
脚本:吉澤智子
原案:田中ひかる『明治のナイチンゲール 大関和物語』
制作統括:松園武大
プロデューサー:川口俊介
演出:佐々木善春、橋本万葉ほか
写真提供=NHK






















