朝ドラ出産シーンは髙石あかりの“夢”だった 『ばけばけ』が込めた“すべてを超越する喜び”

朝ドラ出産シーンは髙石あかりの“夢”だった

 髙石あかりがヒロインを務めるNHK連続テレビ小説『ばけばけ』が現在放送中。松江の没落士族の娘・小泉セツとラフカディオ・ハーン(小泉八雲)をモデルに、西洋化で急速に時代が移り変わっていく明治日本の中で埋もれていった人々を描く。「怪談」を愛し、外国人の夫と共に、何気ない日常の日々を歩んでいく夫婦の物語。

 第110話では、ついにトキ(髙石あかり)が出産。制作統括の橋爪國臣は「実は髙石さんの夢の一つが、『朝ドラのヒロインになること』。そしてもう一つ、その先の夢が『朝ドラのヒロインとして子どもを産むシーンを演じること』だったらしいんです」と、髙石にとって思い入れのある撮影だったことを明かす。

「髙石さんからは『いきなり“子どもが産まれました”という展開ではなく、産むシーンがありますか?』とずっと言われ続けていました。最初は出産シーンはないかもしれない、という話をしていたこともあって、台本を読んで『夢が叶いました!』とものすごく喜んでいましたね」

 同シーンの撮影は、12月19日に実施。偶然にも髙石本人の誕生日と重なったといい、「誕生日と、ずっと楽しみにしていたプレゼントの日が一緒に来たので、彼女にとっては特別な日になったと思います。みんなで誕生日をお祝いして、出産シーンを撮影して。ご自身の誕生日に、朝ドラの中でも子どもが誕生する……我々としても、すごくいい日になりました」とエピソードを語った。

 そんな出産シーンは、髙石の熱望によって実現したものなのか。この質問に、橋爪は「そうではありません」と即答する。

「最初は出産シーンは描かないという話もありましたが、脚本のふじき(みつ彦)さんと議論する上で、やっぱり子どもの誕生は一大事だと。とはいえ、医療ドラマではないので、出産の描写そのものがドラマにはなり得ない。だからこそどうしようかと悩みましたが、きちんと描いたほうが、ヘブンの喜びなどがより見えてくる。今回のストーリーの流れにおいては、出産シーン自体がしっかりとドラマになると感じたので、最終的には入れることにしました」

 このシーンで『ばけばけ』が描きたかったのは、すべてを超越する喜び。「今までにトキやヘブン(トミー・バストウ)が背負ってきたものはたくさんありますが、誕生の喜びにそのすべてが奪われるようなシーンになったらいいなと。どーんと迎えてくれる産婆さんがいることで、トキもすべてを忘れてどーんと産むことができる。子どもが産まれたら産まれたで悩みはあるかもしれないけれど、あの瞬間だけは、みんなが生の喜びを感じるようなシーンになればいいなと思っていました」

 キャスト陣はその日、赤ちゃんと初対面。橋爪は「新生児なので衛生面も気を使いますし、『静かに』『泣かないように』と待つ時間もたくさんあって、いつもとは空気感が違いました。何よりみなさん、『かわいいねぇ』と頬が緩みますよね(笑)。今回は赤ちゃんがみんなご両親のどちらかが外国の方なので、お父さんとお母さんの出身だったり、普段とは違うお話をしたりもしました」と撮影裏を明かした。

 トキの出産当日、「良き目を持ってこの世に来てください」と願い、柱鉄砲をしながらその時を待っていたヘブン。橋爪は「(小泉セツの著書)『思い出の記』にも、『子どもが生まれてくる時に、ハーンが「良き目を持って」とずっと言っていた』という内容が書かれているので、そのあたりを参考に作らせていただきました」と説明する。

 ヘブンの慣れないお百度参り姿も印象的だったが、「お百度参りは裸足でやるので、トミーさんはずっと『足が痛~い』と言っていました(笑)。もちろん、しっかりと気持ちを作って撮影に臨んでいますけどね」と、笑いを交えて振り返った。

 なお、次週(第23週)の予告には、3週間ぶりに錦織(吉沢亮)が登場。橋爪は「来週は松江に戻って、錦織との関係にちゃんと“。(マル)”がつく週です。彼との関係の続きが描かれることで、トキとヘブンも変わっていく。久しぶりの顔ぶれもたくさん出てきますので、今まで観てくれた方々にとっては懐かしさを感じてもらえる週にもなると思います」と期待を寄せた。

 長男誕生の喜びを経て、いよいよ錦織との再会へ。予告映像のたった一声に早くも胸が締め付けられたが、物語の行方をしっかりと見届けたい。

■放送情報
2025年度後期 NHK連続テレビ小説『ばけばけ』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00~8:15放送/毎週月曜~金曜12:45~13:00再放送
BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜8:15~9:30再放送
BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:髙石あかり、トミー・バストウ、吉沢亮、岡部たかし、池脇千鶴、小日向文世、寛一郎、円井わん、さとうほなみ、佐野史郎、北川景子、シャーロット・ケイト・フォックス
作:ふじきみつ彦
音楽:牛尾憲輔
主題歌:ハンバート ハンバート「笑ったり転んだり」
制作統括:橋爪國臣
プロデューサー:田島彰洋、鈴木航、田中陽児、川野秀昭
演出:村橋直樹、泉並敬眞、松岡一史
写真提供=NHK

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