日本の映像作品で“銃”はどう描かれてきた? 『再会』『野良犬』『リボルバー』などから検証

日本の映像作品で“銃”はどう描かれてきた?

 現代の日本では、一部の例外を除いて、一般人が銃を所持することは認められていない。だが、もし銃があれば、憎んでも憎み切れないあいつに復讐を遂げることもできるのではないか。どれだけ望んでも手に入らなかったものを、手に入れることもできるのではないか。そんなことを一瞬でも考えたことのある人は、決して少なくないと思われる。放送中のドラマ『再会~Silent Truth~』(テレビ朝日系)においても、「一般人+銃」という公式により、毎週物語が二転三転している。

 スーパー「スマイルサクマ」の店長・佐久間秀之(小柳友)が、銃殺死体で発見される。もともと素行と人間性に大きな問題のある彼は、万引きした少年の母親・万季子(井上真央)を、ゆすっていたのだ。この事件をきっかけに、4人の幼なじみたちが再会する。万季子の元夫・圭介(瀬戸康史)、佐久間の腹違いの弟・直人(渡辺大知)、そして、刑事の淳一(竹内涼真)。

 佐久間の遺体から見つかった銃弾は、その線条痕から、23年前に殉職した警官である、圭介の父親の銃から発砲されたものであることが判明した。その銃は、当時小学生だった4人がある場所に埋め隠し、それ以来発見されていないはずのものだった。

 佐久間にゆすられていた万季子と圭介、素行の悪い兄を恨んでいた直人、そして、直接佐久間に恨みはないながらも、夜ごと悪夢にうなされ、執拗に手を洗い続ける淳一。あの銃の隠し場所を知っているのはこの4人だけである。誰があの銃を掘り起こし、佐久間を殺したのか。

 銃社会のアメリカなどとは違い、日本では一般人が銃を手にしてしまった時点で、大きなドラマが生まれる。『再会』で犯行に使われたのが警察の制式拳銃、ニューナンブM60であるように、一般人にとってもっとも身近な拳銃携帯者は、警察官だろう。したがって、ワキの甘い警察官が銃を盗まれるという物語は、よくあるパターンだ。

黒澤明『野良犬』

 このパターンの古典的名作として、黒澤明の『野良犬』(1949年)がある。三船敏郎演じる刑事が、スリに拳銃を盗まれたことから始まる追跡劇だ。この刑事が驚くほどにワキが甘い。射撃訓練をした後、拳銃を裸のままジャケットの外ポケットに雑に突っ込み、人間がひしめき合う満員バスに乗って帰宅する。で、案の定、帰宅後に拳銃を盗まれたことに気づく。

 本来なら大問題になると思うのだが、上司も、「まーくよくよすんな」ぐらいの軽いノリである。その拳銃を使って、殺人事件が起きているにも関わらずだ。また恐ろしいことに、これだけツッコミどころがありながら、作品は間違いなく面白く、主人公は文句なく魅力的だ。黒澤明の演出力と、当時29歳の三船敏郎の日本人離れしたカッコよさの賜物である。

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