日本の映像作品で“銃”はどう描かれてきた? 『再会』『野良犬』『リボルバー』などから検証

藤田敏八『リボルバー』
同じくワキの甘い警察官ものとしては、藤田敏八監督の『リボルバー』(1988年)も出色だ。主人公は、沢田研二演じるやる気のない警察官である。パトロール中にブランコに座ってまったりしてたら、後ろから鈍器で殴られて拳銃を盗まれる。ちなみに、こちらはちゃんと問題になり、ジュリーは警察を辞職している。
この拳銃は、自分を振った不倫相手を殺したい会社員、自分をボコったチンピラを殺したい高校生、自分に振り向いてくれないジュリーを殺したい女性と、鹿児島から北海道まで持ち主を渡り歩く。最終的にこの女性が発砲するのだが、弾丸はジュリーではなく、たまたま野次馬として居合わせた蜂矢圭介(柄本明)の足に当たる。ただただ柄本明がかわいそうな作品である。
この「無関係な人間に流れ弾が当たる」というシーンは、拳銃映画ではよく見られる。印象深いのは、『その男、凶暴につき』(1989年)において殺し屋(白竜)の撃った弾が無関係な女性の頭部に当たるシーンと、『GONIN』(1995年)においてヤクザ(飯島大介)の撃った弾がやはり無関係な女性の脚に当たるシーンだ。『リボルバー』の場合は、柄本明がコメディリリーフ的な役柄のため、被害にあってもあまり悲愴感はない。だが、『その男』や『GONIN』の場合、このあまりにも不幸な女性たちを、ひたすら冷たく無感情に描く。彼女たちの不運を、ただの風景として描く。命のあっけなさを叩きつけられ、しばし呆然となる。
石井聰亙『高校大パニック』
ヤクザや殺し屋が銃を持っているのは当たり前なので、「一般人+銃」の公式に戻る。戻るが、「銃を盗んだ一般人+銃+流れ弾に当たる不運な女性」という公式に当てはめたい。この公式に当てはまる作品がある。石井聰亙(現・岳龍)監督の『高校大パニック』(1978年)がそれだ。
受験のストレスが頂点に達した高校生が、銃砲店から猟銃を盗み出し、数学教師を射殺する。その際、無関係の女性徒にも流れ弾が当たる。主人公は、また別の女性徒を人質に校内に立てこもる。ちなみにその女性徒は、若き日の浅野温子である。後年の『あぶない刑事』シリーズのはっちゃけぶりからは想像もつかないほどに、可憐だ。主人公と彼女の間に、ささやかな心の交流が見られる。しかし、結局彼女も機動隊の撃った流れ弾に当たって命を落とす。
『野良犬』『リボルバー』『高校大パニック』、いずれの作品も、銃を盗んだ人間は最後に逮捕されている。銃を手にしてしまったがために、人生を狂わされてしまった人間の、悲愴感が漂っている。

『再会~Silent Truth~』において、最終的に逮捕されるのは誰なのか。人生を狂わされてしまったのは、誰なのか。放送を観る限り、物語は概ね横関大による原作に沿ったストーリーが展開されている。南良刑事(江口のりこ)の面白すぎるキャラ変以外は(原作の南良刑事は、若くクールな男性である)。
このまま原作に沿って物語が進むのであれば、意外すぎる結末を目の当たりにすることとなる。物語はいよいよ最終章に突入する。心して観てほしい。
23年前、拳銃を埋める秘密を共有した淳一と同級生たち。刑事となった淳一は故郷で、その拳銃が凶器の殺人事件を捜査。容疑者は初恋の相手でもある仲間の一人。淳一は過去の秘密と対峙する。
■放送情報
『再会~Silent Truth~』
テレビ朝日系にて、毎週火曜21:00~21:54放送
出演:竹内涼真、井上真央、瀬戸康史、渡辺大知、北香那、段田安則、江口のりこ
脚本:橋部敦子
原作:横関大 『再会』(講談社文庫)
監督:深川栄洋、山本大輔
エグゼクティブプロデューサー:内山聖子(テレビ朝日)
プロデューサー:峰島あゆみ(テレビ朝日)、中込卓也(テレビ朝日)、山田勇人(ザ・ワークス)、多湖亮太(ザ・ワークス)、大垣 一穂(ザ・ワークス)、角田正子(ザ・ワークス)
音楽:得田真裕
主題歌:優里「世界が終わりました」(BEAT SEEKER MUSIC)
制作協力:ザ・ワークス
制作著作:テレビ朝日
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