厳しい現実に漂う“見えない暖かさ” 『DREAM STAGE』が可視化する“優しい世界”

『DREAM STAGE』が描いた“優しい世界”

 「これでこそ『DREAM STAGE』!」と言いたくなるような、どこまでもやさしく、そして明日への希望に満ち溢れた回だった。

 金曜ドラマ『DREAM STAGE』(TBS系)第6話は、NAZEのデビューシングル「Little Star」が初登場ランキング2位という結果に終わる、苦い幕開けとなった。1位はライバルグループのTORINNERだ。トップを取れなかったグループがこれから生き残っていくのは、奇跡に近い確率だ。「俺の責任だ、申し訳ない」と、我らが吾妻(中村倫也)もプロデューサーとして頭を下げる姿に、改めて厳しい現状を突きつけられるのだった。

 当初から、吾妻はNAZEに言っていた。「時間を無駄にするな」と。メンバーには再び、その決断が迫られる。もう一度、ミラクルを願って夢を目指して突き進むのか。あるいは、違う道を選ぶのか……。吾妻は、無責任に「次こそはいける」とか「まだまだこれから」と鼓舞することはしない。あくまで自分たちで道を選ばせる。それが彼のスタイルだ。

 一方で、「これがお前の歩く道だ」と強引にレールを敷こうとするのが、ユンギの父・シニャン(チェ・ジノ)だった。1位を獲ることができなければ、芸能活動を諦めて父の会社を継ぐ。ユンギは、父とそんな約束を交わしていたのだ。ユンギの父は、数字と成果だけを信じ、息子の夢を「人生の無駄」だと切り捨てる孤独な仕事人として描かれる。

 もしかしたら、かつての吾妻もそうだったのかもしれない。自分が思う「正しい」を貫き、ときに誰かを切り捨てることも厭わない。そんな冷酷さを持たなければ、事業を牽引することなどできないというのも、現実的なところ。そんなシニャンの背中を見て育ったユンギは、吾妻にこぼす。「あの人は自分しか信じない。周りの思いなんて気にしないんです」と。

 すると吾妻は「ハハハ。耳が痛いよ」と冗談めいて返す。慌てて「吾妻さんは違います!」とフォローするユンギだったが、「たしかに偉そうだし、傲慢だし、自分が一番だし……」と続く言葉に、吾妻は思わず「耳に激痛が!」とツッコミを入れる。重苦しい空気を一瞬で和らげるこのやりとりは、彼らが築いてきた信頼関係を象徴していた。

 ユンギは続ける。「(吾妻は)ちゃんと俺らのことを見てくれてるっていうか。ちゃんと俺らのことを好きでいてくれるっていうのがわかるから。父とは違います!」と。そう、第6話を通じて考えさせられたのは、“伝えないと届かない思い”があるということ。

関連記事

リアルサウンド厳選記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「リキャップ」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる