『未来のムスコ』志田未来が初回から迫真の演技 主人公の叫びが胸に刺さりまくる

『未来のムスコ』志田未来の迫真の演技

 「夢追いかけてて、かっこいい」という友人の言葉に未来は気まずい表情を浮かべる。あれはマウントではなく、本心からの言葉だった。結婚、出産、昇進、マイホーム購入など、順調に人生を前に進めている彼女たちもきっと「人生、これでよかったのか」と悩み、夢を追う未来が羨ましくなったりもするのではないだろうか。だけど、未来は自分が中途半端な自覚があるからこそ、素直にその賞賛を受け止められないのだろう。

 劇団の最大のピンチにようやく立ち上がるが、大きなチャンスをものにできずに終わる。そういう時に限って小さな不運が積み重なり、負の感情が濁流のように押し寄せてくる描写に既視感があり過ぎた。心が折れるには十分。未来は夢を諦め、以前からバイト先の上司から持ちかけられていた正社員登用の話を受けようとする。

 そんな未来に少し先の未来を感じさせてくれたのが、颯太だった。どちらが子どもかわからないくらいに泣きじゃくる未来を、「だんない、だんない」と慰める颯太。「だんない」とは、富山弁で「大丈夫」を意味する。10年後、自分が何の仕事をしているのかも、誰と結婚したのかも今はわからない。けれど、少なくとも未来の自分は「だんない」の精神で生きている。亡き父から教わり、“未来”の未来が颯太に教えたその魔法の言葉が、現在の未来を救った。

 颯太役の天野優はオーディションで約200人の中から選ばれた。子どもらしさが溢れる自然なお芝居で、おぼつかない感じの台詞回しがかえって琴線に触れる。「だんない、だんない」という言葉のおおらかな響き、その小さな手に心まで撫でられているような気がした。元天才子役と現天才子役の邂逅だ。

 颯太を自分の“未来”の息子だと確信した未来。気になるのは、やはり颯太が“まーくん”と呼ぶ未来の夫の正体だ。候補の一人目は、アルバトロスの団長で元恋人の将生(塩野瑛久)。少し軽薄な雰囲気があり、未来に対してもドライな態度をとっているが、本当は誰よりも気にかけている。現時点では一番未来に近しい存在だが、颯太が将生と出会った時によそよそしい雰囲気だったのは“まーくん”じゃないからか。それとも10年後は風貌が変わっているからか。第2話以降、深掘りされていくであろう後輩俳優の真(兵頭功海)、同級生で保育士の松岡(小瀧望)にも注目していきたい。

『未来のムスコ』の画像

火曜ドラマ『未来のムスコ』

恋も仕事も夢も中途半端だった主人公がある日突然母となり、子育てを通して、誰かと生きること、支え合うことの意味を知り、自分らしく生き直していく姿を描く。

■放送情報
火曜ドラマ『未来のムスコ』
TBS系にて、毎週火曜22:00~22:57放送
出演:志田未来、塩野瑛久、小瀧望、兵頭功海、天野優、吉村界人、箭内夢菜、萩原護、ビビる大木、藤原さくら、板倉武志、難波なう、西野七瀬、マキタスポーツ、神野三鈴、水瀬いのり(声の出演)、淵上泰史
原作:阿相クミコ・黒麦はぢめ『未来のムスコ~恋人いない歴10年の私に息子が降ってきた!』(集英社『ヤンジャン+』連載)
脚本:ニシオカ・ト・ニール、いとう菜のは
プロデューサー:天宮沙恵子、松本明子
演出:井村太一、古林淳太郎、泉正英
主題歌:秦基博「ポケットに魔法を入れて」(UNIVERSAL MUSIC/AUGUSTA RECORDS)挿入歌:Hi-Fi Un!corn「SUPER DUPER」(Sony Music Labels)
製作:TBSスパークル、TBS
©TBSスパークル/TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/mirainomusuko_tbs/
公式X(旧Twitter):@mirai_musukotbs
公式Instagram:mirai_musuko_tbs
公式TikTok:@mirai_musuko_tbs

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