『良いこと悪いこと』で名演技を披露 木村昴が俳優としてもブレイクした理由とは

木村昴、『良いこと悪いこと』の名演技で注目

 とはいえ木村はそもそも実写畑の出身で、子どもの頃には「劇団日本児童」に所属し、子役として活動していた。その後も座長として「天才劇団バカバッカ」という劇団を設立するなど、身体を使った演技に打ち込んできた過去がある。そう考えると、むしろ木村が苦労したのは、キャラクターに寄せた声の演技を習得することだったのかもしれない。

 有名なエピソードだが、木村はそのキャリアにおいて“ジャイアンとの決別”に苦労したことを明かしている。一時期どんな役をやろうとしてもジャイアンの声になってしまう状態だったらしく、『輪るピングドラム』のオーディションで幾原邦彦監督から「君ほど下手くそな人に会ったことがないよ!」と痛烈な一言を浴びせられることに。しかし幾原監督とともに猛特訓する日々を送ったことで、いろいろな声を出せるようになったという。

 ちなみに『輪るピングドラム』のTVシリーズから約10年後に制作された劇場版『RE:cycle of the PENGUINDRUM[前編]君の列車は生存戦略』では、演技が上手くなりすぎたことで幾原監督からダメ出しされ、もっと下手な演技をするように求められたという。(※)

 かくしてアニメ声優として一躍大ブレイクした木村だが、この経験があったからこそ、身体性とキャラクター的な演技を兼ね備えた役者が出来上がったのではないだろうか。「粗暴でありながら繊細」という深みのある演技は、まさにそうした成長の産物だったように思われる。

 「ジャイアンの声優」から「ジャイアンも演じている実力派役者」へと変貌を遂げつつある木村。今後、アニメや実写でどんな芝居を披露してくれるのか楽しみだ。

参照
※ https://penguindrum-movie.jp/special/report-220409.html

『良いこと悪いこと』の画像

良いこと悪いこと

ガクカワサキが脚本を手がけるノンストップ考察ミステリー。小学校の同窓会で、連続不審死が発生。同級生全員が容疑者となる中、犯人を巡る探り合いが始まる。

■配信情報
『良いこと悪いこと』
TVer、Huluにて配信中
出演:間宮祥太朗、新木優子、森本慎太郎(SixTONES)、深川麻衣、戸塚純貴、剛力彩芽、木村昴、藤間爽子、工藤阿須加、松井玲奈、稲葉友、森優作、水川かたまり(空気階段)ほか
脚本:ガクカワサキ
演出:狩山俊輔、滝本憲吾、長野晋也
プロデューサー:鈴木将大、妙円園洋輝
チーフプロデューサー:道坂忠久
音楽:Jun Futamata
制作協力:ダブ
©日本テレビ
公式X(旧Twitter):@iiwaru_ntv
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公式サイト:https://www.ntv.co.jp/iiwaru/

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