寛一郎、『ばけばけ』再登場で注目 大河&朝ドラW出演を果たした2025年の活躍を振り返る

NHK連続テレビ小説『ばけばけ』の第13週「サンポ、シマショウカ。」を目にして、歓喜した人も多いのではないだろうか。それもそのはず、なんとトキ(髙石あかり)の最初の夫である銀二郎(寛一郎)が、再び松江の地を訪れたからだ。
正直、結婚してから東京で別々の道を歩むに至るまでの経緯を考えても、トキとヘブンが主軸となって綴られる物語に帰ってくるとは夢にも思わなかった。銀二郎はトキの最初の夫として松野家に婿養子として迎えられ、借金を返すために熱心に多くの仕事を掛け持ちするものの、家の格を重んじるトキの祖父・勘右衛門(小日向文世)とは反りが合わず、置き手紙を残して東京へと旅立ってしまう。

やがて、松江から銀次郎を連れ戻すために東京へとやってきたトキと対面し、こっちで2人で暮らさないかと声をかけるものの、彼女は松野家の家族を見捨てることができずに帰郷。視聴者からは名残惜しく思われていたように、銀次郎の決断には同情する声も少なくなかった。
何よりも銀次郎が視聴者から愛されたのは、彼が健気にもトキのために奔走する姿が目に焼きついてからだろう。借金まみれの松野家の惨状を目の当たりにしても、一目散に逃げることなく、松野家を養うために仕事を掛け持ちして、トキと意気投合するきっかけとなった怪談を夜な夜な語り合う。史実において別れてしまうことはわかっていたものの、湖のそばで仲睦まじく言葉を交わす2人を観て、彼らが幸せな生活を営む未来もあったのではないかと夢見てしまった。
報われない銀次郎を演じた寛一郎にとっても、2025年はインパクトを残す一年となった。朝ドラに先んじて、大河『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』(NHK総合)には、富本節の2代目・富本豊志太夫として出演。歌舞伎役者の門之助(濱尾ノリタカ)が吉原で酷い扱いを受けたことから、最初は蔦屋重三郎(横浜流星)の頼みを断る豊志太夫だったが、女郎たちの前で富本節を披露したことをきっかけに、吉原に抱いていたイメージが変わり始める。

そんな豊志太夫の見せ場となるのが、江戸浄瑠璃の歌い手でもある彼が、舞台の上で富本節を披露するシーン。歌と語りの間とも言える特有の歌い方で観客を魅了する堂々とした姿と、空気を震わせるように響く艶やかな歌声を目の当たりにしては、吉原の俄祭りに出てほしいと蔦重が懇願するのも無理はない。





















