日穏=KANONが表現者として最も大切にしていること 「自分自身が“楽しむ”ことが一番大事」

SKY-HI率いるBMSGからまた一人、新たな才能が飛躍の時を迎えた。『THE LAST PIECE』を経て誕生したグループSTARGLOWの一員であり、BMSG TRAINEE時代から多くの人を魅了してきたアーティスト・日穏(KANON)。『代々木ジョニーの憂鬱な放課後』にて、映画初出演にして初主演という鮮烈なスクリーンデビューを飾る。
『違う惑星の変な恋人』の木村聡志監督が描く、ユーモラスでほろ苦い10代の青春物語。日穏は、少し天然で生真面目な高校生・代々木ジョニーという、一筋縄ではいかないキャラクターを、映画初出演とは思えないリアリティで体現した。プレデビューを果たし、アーティストとして、そして俳優として目まぐるしい日々を送る彼は今、何を思うのか。【インタビューの最後にはチェキプレゼント企画あり】
STARGLOWプレデビュー後の変化

――STARGLOWの一員としてのプレデビュー、おめでとうございます。生活は大きく変わりましたか?
日穏:はい。本当にありがたいことなのですが、生活が一変しました。STARGLOWになってから、自分が今まで夢に見てきたようなことがずっと続いている感じです。やっとここまで来たんだなと。本当に嬉しいです。
――そんな目まぐるしい日々の中で、主演映画の公開を迎えるわけですが、撮影は約1年前だったそうですね。そもそも、どういう経緯のオファーだったのでしょう?
日穏:木村(聡志)監督が「ジョニーっぽい人を探している」状況だったらしく、事務所のスタッフが「うちにジョニーっぽい人いますよ」と紹介してくれたのがきっかけで。そこからお話が進んで、決まったという感じでした。

――もともと劇団に所属されていた経験はおありですが、BMSGでアーティストとして活動していく中で舞い込んだ俳優の仕事は、どのように受け止めましたか?
日穏:BMSGに所属させていただいてからも「演技の仕事はやりたい」とずっと言い続けていました。なので、このお仕事が決まったときは本当に嬉しかったです。何でも挑戦させてくれる、本当にいい会社だなと改めて感じました。
――BMSGでは、希望者向けに演技レッスンがあると伺いました。日穏さんも参加されていたのでしょうか?
日穏:はい。BMSG TRAINEEのプログラムの中に演技レッスンが組まれていて、当時は基本的にみんなが参加していました。月に2回くらい、みんなでレッスンを通して演技に触れる時間がありましたね。その場で台本を渡されて、覚えて演じるという実践的な内容でした。

――舞台と映像では表現方法が大きく異なると思いますが、そうしたレッスンでの経験があったからこそ、今回の映画撮影にもスムーズに入れたのでしょうか?
日穏:そうですね。演技をすること自体への抵抗感や過度な緊張はそこまでありませんでした。ずっとやりたいことだったので、とにかく嬉しかったです。
初主演映画で掴んだ“普通ではない”役柄

――予告編でも使われているシーンですが、ジョニーが付き合っている相手に、“恋人として”特別に好きではないと伝えるシーンの日穏さんの芝居に驚かされました。視線の動かし方や瞬きのタイミングが絶妙で。
日穏:めちゃくちゃ嬉しいです。木村監督からは、動きに関する説明はありましたが、「こういう演技をしてほしい」という具体的な指示は特になかったんです。自分の中で「ジョニーは今、こう思っているんだろうな」というのを想像して、その気持ちになって演じていたら、意識せずとも自然に目や表情に出てきたのかなと思います。
――映画初出演作とは思えないほど、主演としてジョニー役にハマっていました。
日穏:ありがとうございます。昔からちょっと癖のある人物を演じてみたいという思いはずっとあったんです。そしたら、今回のジョニーくんはまさに“普通ではない”人物で。自分のやりたかった役柄を初主演でできたことは感謝してもしきれません。

――本作は、『違う惑星の変な恋人』などで知られる木村聡志監督の作品です。過去作のキャラクターが登場するなど、独特の「KIMURA CINEMATIC UNIVERSE(KCU)」が魅力ですが、木村監督の世界観に触れてみていかがでしたか?
日穏:木村監督の作品は、「え、そこの話を広げるんだ」というような、一見すると「何て言ってるんだろう?」と感じる瞬間が多いのですが、それがすごく面白くて癖になる魅力だと思います。僕も過去の作品を拝見して、「こういう言い回しをするんだ」と学びました。その感覚が自分の中にインプットされた状態でジョニーを演じられたので、“木村監督イズム”のようなものが自然と体に入った状態で撮影に臨めたと思います。
――撮影は時系列順ではなかったそうですが、初めての映画撮影で戸惑いはありませんでしたか?
日穏:はい、順番通りに撮らないのが初めての経験だったので、「これはどう繋がっていくんだろう?」という気持ちは正直ありました。でも、ここでも演技レッスンの経験が役立ちました。演じるシーンの前後で何があったのかを想像しながらやることで、その場面に合った表情や感情を作ることができたんだと思います。

――映画では、高校生のジョニーが様々な出会いを経て、大学生へと成長していく姿が描かれます。この変化をどのように意識して演じましたか?
日穏:高校生時代のジョニーは、まだ自分の見える世界の範囲内でしか行動したり考えたりできていなかったと思うんです。それが作品を通して変化していく。大学生になった時には、高校生の時よりももっと感情が表に出るだろうし、人としても成長しているはず。その変化が観客の皆さんにも伝わるように、というのは意識して演じました。





















