失恋はいじめ? 『僕達はまだその星の校則を知らない』が突きつけた恋愛の苦しみと尊さ

『ぼくほし』が突きつけた恋愛の苦しみと尊さ

 失恋はいじめなのか? 『僕達はまだその星の校則を知らない』(カンテレ・フジテレビ系)第2話では一風変わったテーマが扱われた。

 発端は一人の生徒が起こした騒ぎだった。男女共学化で生じた校内恋愛。気持ちが冷めた女子生徒が、他の男子と付き合い出したことでトラブルに発展する。ショックを受けた元カレの男子生徒は不登校になり、いじめを訴えた。

 「いじめ」というワードに反応した健治(磯村勇斗)。いじめ防止対策推進法の定義にしたがって、生徒が「心身の苦痛を感じている」として事件の解決に取り組む。スクールロイヤーの仕事の一つとして、いじめ問題への対処は筆頭に挙げられることは多い。

 恋愛と教育は対極にあるもののように思える。人を好きになるのは誰かに教わることではなく、いつの間にかなんとなく理解しているもので、藤村(日向亘)の恋愛感情も自然発生的に生まれた。移り気な堀(菊地姫奈)も自分に正直なだけで、それに対して、こうするべきという答えがあるわけじゃない。

 だから、この問題に積極的にかかわる健治には、最初から違和感があった。いや、そうなるように制作陣が仕掛けたと言うほうが正確かもしれない。あえてのミスリードに視聴者を誘い込んだのは、たぶん同じ感情を共有したかったからだ。

 学校と同じくらい相性が悪いのが恋愛と法律かもしれない。加害者と被害者をきっちり立て分けることなんて不可能だ。不可能なものを無理やりひとくくりにしてあてはめたら、どこかでひずみが生じる。やっつけ仕事で作られた法律は、こぼれ落ちるものが多すぎた。

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