『あんぱん』はより史実に近づいていく 脚本・中園ミホが大切に描いたのぶと嵩のこれから

NHK連続テレビ小説『あんぱん』第14週「幸福よ、どこにいる」は、高知新報に戦後初の女性記者として入社したのぶ(今田美桜)が、東海林(津田健次郎)、岩清水(倉悠貴)とともに雑誌『月刊くじら』の発刊を目指す物語。第70話のラストには、のぶが目を見開き、放送開始から初めて(?)「たまるかー!」というのぶの心の声がインサートされるほどの人物が高知新報の入社試験に姿を現した。
『あんぱん』史実におけるやなせたかしと妻の暢を解説 2人の出会いは“新聞社”だった
NHK連続テレビ小説『あんぱん』は、第13週「サラバ 涙」から戦後の高知が舞台となっている。先生をしていたのぶ(今田美桜)は、結…
夕刊発行中止から一転して、月刊誌を発刊することが決まったのぶ、東海林、岩清水。発刊は3カ月後。のぶは記者として企画、取材、記事執筆以外にも、作家への原稿催促、広告取りの営業となんでもこなしていた。編集部の中で、ネックになっているのが広告ページ。『月刊くじら』は、高知の再建を支援する雑誌だが、傍から見れば何冊売れるかも分からない創刊号。蓋を開けてみないと分からない雑誌に出資する変わり者はいなかった。
なかなか広告が決まらない中、助け舟を出したのは、同僚の琴子(鳴海唯)。屋台で知り合った質屋の店主が、もしかしたら広告を出してくれるというのだ。しかし、そこは東海林やのぶが足を運んでは断られてきた質屋。今まで対応してきた鰐口(藤尾勘太郎)ではなく、店主の羽村(佐古井隆之)は雨の中訪ねてきたのぶと琴子に広告を出すことを快く決めた。1ページ全面、しかも3カ月契約という大手柄だ。

校了に向けやることはまだまだ山積みだが、広告契約が取れたお祝いとして、のぶは一緒に暮らしているメイコ(原菜乃華)と祝杯を挙げた。何かに挑戦してみそっかすな自分を変えたいメイコも食堂で女給として働けることが決まった。祝杯のラムネを見て、メイコは嵩(北村匠海)、そして愛しの健太郎(高橋文哉)に思いを馳せる。