『彼女、お借りします』第4期が“夏”にピッタリ ハワイアンズヒロインたちにハマってしまう

本作は話が進むにつれて和也に想いを寄せる異性が増えてくるが、原作第3巻ですでに和也が千鶴を意識しているため、早々に主人公と正ヒロインとしての千鶴との関係が強調される。アニメでも序盤の序盤だ。そのためこの2人の声優は外せない。堀江瞬(和也役)と雨宮天(千鶴役)は数々の役を務めた実力派。原作漫画は先に述べた丁寧さによって通常の恋愛漫画より内面的な描写が数多く含まれる。そのため、アニメ中も台詞は多かったはずだが、見事な理解度で演じている。

雨宮演じる千鶴はレンタル彼女とリアルな千鶴とのギャップの高低差が魅力で、『この素晴らしい世界に祝福を!』のアクアで培ったような演技の爆発ぶりと正統派ヒロインの清純な芝居を使い分ける。和也は親のすねをかじっているニートキャラだったため、大学1年時から養成所費用と生活費を自ら捻出していた堀江とは真逆のキャラクターだったとは思うが、自堕落なキャラクターが恋愛を通して成長する様子を堀江自身が成長するかのように演じている。
また、本作はメインの2人が盤石なだけでなく脇を固める女性陣も演技派の声優が名を連ねる。特に七海麻美を演じる悠木碧の芝居は必見で、悠木といえば“ちょっと腹黒い妹キャラ”が代名詞的な声優であったが、近年では『サイバーパンク エッジランナーズ』のルーシーのような、腹黒さもあるが落ち着いた大人のヒロインも見事に演じており、その振り幅は増すばかり。そんな悠木の芝居には培ってきた技術が存分に発揮されており、気がある元カノとしての七海と裏垢女子の七海の芝居の声はもはや別人だ。気になる人はLINEのボイススタンプの台詞だけでもわかるのでチェックしてみてほしい。
「描写の丁寧さ・リアリティ」「声優の芝居」これらの魅力を携えて、再び帰ってきた本作は今夏では季節性のある作品として新たなファンを獲得すると予想できる。
というのも今回の第4期1クール目はハワイアンズ編。女性キャラクターたちの水着姿もポイントの夏ならではのエピソードだ。本作ほど季節にマッチしたものはないだろう。設定こそ美少女たちと旅行という非日常だが揺れ動く感情は丁寧で、声優も上手い。ハマる人も多いはずだ。
■放送情報
TVアニメ『彼女、お借りします』(第4期)
MBS・TBS・BS-TBS“アニメイズム”枠ほかにて、7月4日(金)スタート 毎週金曜26:23〜放送
DMM TV、dアニメストアにて、7月1日(火)より毎週火曜22:00〜地上波3日間先行・最速配信
各配信プラットフォームにて随時配信
キャスト:堀江瞬(木ノ下和也役)、雨宮天(水原千鶴役)、悠木碧(七海麻美役)、東山奈央(更科瑠夏役)、高橋李依(桜沢墨役)、芹澤優(八重森みに役)
原作:宮島礼吏(講談社『週刊少年マガジン』連載)
監督:古賀一臣
シリーズ構成:広田光毅
キャラクターデザイン:平山寛菜
音楽:ヒャダイン
音響監督:髙桑 一
美術監督:秋葉みのる
色彩設計:長尾朱美
2Dアートディレクター:麻生剛史
撮影監督:坂井慎太郎
編集:中葉由美子
アニメーション制作:トムス・エンタテインメント
オープニングテーマ:ClariS「Umitsuki」
エンディングテーマ:リーガルリリー「ぼくのベガ」
©宮島礼吏・講談社/「彼女、お借りします」製作委員会 2025
公式サイト:https://kanokari-official.com/
公式X(旧Twitter):https://twitter.com/kanokari_anime






















