橋本愛、なぜ大河ドラマで3度目の妻役に? 『べらぼう』蔦重と“共鳴”するていの魅力

この複雑な人物像を演じるにあたって、橋本は「ていの感情、気持ちを理解したうえで、それをどの程度表に出すのか、毎回“出力の調整”をしている感じです」と表現している。(※2)
第24回で印象的だったのは、蔦重からのプロポーズに対する「間」の取り方だ。「一緒に本屋をやりませんか」と言われた瞬間、ていの表情にほんの一瞬、何かがよぎる。橋本はこの瞬間について「ムクムクと感情が湧き上がってきそうになって、その気持ちに、ヒュッと蓋をするような感じ」と表している。(※2)

その感情に蓋をする演技で思い出すのが、橋本が映画『熱のあとに』で演じた、恋人を殺して愛を貫こうとした女・沙苗役だ。実際の歌舞伎町ホスト刺傷事件にインスパイアされたこの作品で、橋本は「抱えている感情と出力されるものにズレがある人」を演じ、「演じる上では内面の感情を表には出さないように意識し、今まで経験したことのない感覚で演じました」と語っている。(※3)
『青天を衝け』での千代は大人しい女性だったが、ここぞというときには自分の考えを言葉にできる人物でファンからも愛されていた。抑制された、物静かだが芯のある女性を演じるとき、橋本の持ち味は一層際立つ。
では、蔦重とていはいったいどんな夫婦になるのだろうか。今のところ「本を愛する」という一点では通じ合っているが、性格的なタイプは正反対のように思える。蔦重と心を通わせていくとき、橋本がていの感情をどのように表に出していくのか、楽しみだ。
参照
※1. https://x.com/EeoduLzbYVjTprk/status/1936566140777685259
※2. https://steranet.jp/articles/-/4559
※3. https://news.j-wave.co.jp/2024/02/content-2721.html
■放送情報
大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』
NHK総合にて、毎週日曜20:00~放送/翌週土曜13:05~再放送
NHK BSにて、毎週日曜18:00~放送
NHK BSP4Kにて、毎週日曜12:15~放送/毎週日曜18:00~再放送
出演:横浜流星、小芝風花、渡辺謙、染谷将太、宮沢氷魚、片岡愛之助
語り:綾瀬はるか
脚本:森下佳子
音楽:ジョン・グラム
制作統括:藤並英樹
プロデューサー:石村将太、松田恭典
演出:大原拓、深川貴志
写真提供=NHK






















