『続・続・最後から二番目の恋』良い意味で最終回らしくないラスト 和平×千明の素敵な結末

『最後から二番目の恋』最終回らしくない最後

 6月23日に『続・続・最後から二番目の恋』(フジテレビ系)の最終回が放送された。

 11年という年月は長く特別なものに思える。けれど、このドラマを観ていると、意外と人間は変化の中でも、変わらない何かや考え方、マインドを持っているのかもしれないと考えさせられた。11年ぶりの新シーズンは、そんなことを教えてくれたような全11話だったなと振り返る。

 たしかに、今シーズンにはいくつかの軸があった。和平(中井貴一)の鎌倉市長立候補どうするか問題や、千明(小泉今日子)の定年を控えた今、仕事とどう向き合うのか、今後のキャリアをどうするかという葛藤、そしてそれぞれの恋……。

 しかし、良い意味で劇的な何かが毎回起こるわけではないのがこのドラマの面白いところ。その悩みや葛藤と、それぞれのキャラクターがゆっくりと向き合い、そこでの内心を詳しく言語化したりするのではなく、ただ日々を過ごす中で各々が咀嚼していく。そして、自分の心の内側が整理できたら、ちょっとだけ言葉にして事後報告する。そのようなドラマの進み方は、まるで定期的に会う友人の近況をカフェで聞いている時間にそっくりだなと感じていた。

 それもあって、放送された最終回は良い意味で最終回らしくない最終回だったなと筆者は感じた。もちろん千明が還暦を迎えるという1つのゴールのようなものはあったが、それはあくまでも日常と地続きであって、毎日を生きる中に生まれるちょっとだけスペシャルな日、1年に1度の誕生日のような特別感にすぎない。そのように受け取ったからだ。

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