『続・続・最後から二番目の恋』三浦友和はなぜいつまでも“いい男”であり続けられるのか

ついに最終回を迎える『続・続・最後から二番目の恋』(フジテレビ系)だが、後半に、新キャラとして登場した医師の成瀬千次(三浦友和)が熱かった。長年、恋人未満の関係にある吉野千明(小泉今日子)と長倉和平(中井貴一)の間に割って入り、第9話では「(千明に)恋している」とはっきり発言した成瀬が、もう一波乱起こしそうである。
筆者の周りの同ドラマの女性ファンの間では、「長倉和平と成瀬先生ならどっちを取るか」という話題で盛り上がっている。そして、大多数が、「自分なら、成瀬先生」と答えていた。確かに、お医者さんで優しそうで、包容力があって、頭も良さそうである。とはいえ、年齢的には70歳を超えていて、50代女性にとってもかなり年上になるわけだが、それでも女性からの支持が高い。なんなら、20代、30代の女性からも好感を持たれていて、そのモテぶりに「さすがは三浦友和」と筆者は唸ってしまった。
小泉今日子の“働く女性としての矜持” 『続・続・最後から二番目の恋』が切り込む労働問題
『続・続・最後から二番目の恋』(フジテレビ系)が盛り上がっている。なにしろ、シリーズ3作目だ。すでに確かな固定ファンを獲得してい…
三浦友和といえば、現妻である山口百恵と共演したドラマ『赤いシリーズ』(TBS系)でブレイクし、端正な顔立ちに聡明さと優しさを滲ませる物腰、一度聞いたら忘れられない美声で、女性たちを魅了してきた名優だ。『最後から二番目の恋』の脚本を担当する岡田惠和は、「三浦友和さんは、Netflixの『さよならのつづき』が素敵だったので」とキャスティングの理由について話し、「僕の中では三浦さんは飄々として包み込むような役がはまりそうなイメージなんです。それにあれほど清潔感を保てる人はなかなかいないですよね。いま73歳で、大ベテランですから」と評している(※1)。

三浦は、重鎮役が似合う年齢になっても、まっすぐな純粋さすら感じさせ、年齢ゆえの圧を感じさせない自然体の魅力がある。今でも、ラブストーリーを爽やかにこなせる稀有な存在だと言えるのかもしれない。
そんな三浦にも、俳優として苦悩した時代があったという。山口百恵と結婚した当時は28歳で、アイドルや二枚目俳優というだけではもはや通用しない年齢になっていた。思ったような役になかなか恵まれない中、相米慎二監督の『台風クラブ』(1985年)で無責任な中学教師を演じ、それをきっかけに次第に役柄が広がり、単なる二枚目俳優から脱却し、活躍を広げていった。