『続・続・最後から二番目の恋』“自分じゃない”に気づいた成瀬 和平に“譲った”カッコよさ

『続・続・最後から二番目の恋』成瀬の決断

 今、目の前にいる人にとって光が当たっているのは自分ではない誰かである。長く生きていれば、自分には向けられない誰かの眼差しを目の前で見て、そして辛くなるという経験もあるだろう。

 『続・続・最後から二番目の恋』(フジテレビ系)の第10話「大人って、立派じゃなきゃダメですか?」には、“自分じゃない”を目の当たりにした3人が登場した。

 まず、1人は長倉和平(中井貴一)。娘の長倉えりな(白本彩奈)とその恋人・木村優斗(西垣匠)との食事で話されたのは、結婚の話などではなく、ただえりながアーティストとしての活動をほかの海でもしてみたい、いつか旅に出てみたいということだった。それゆえ、和平が心配していたような娘の独り立ちは起きず。ただ、食事を終え、3人で店を出たとき、えりなは和平と帰るのではなく、優斗と肩をを並べて和平に手を振ったのだそうだ。父と一緒に帰るものだと思っていた和平からすると、我が子の側にいるのは、もう自分じゃないということに少し気付かされるような瞬間だったに違いない。もちろん、父であること、娘であることに変わりはないのだが、2人の関係性は確実に年を重ねて、変化していったのであった。

 年を重ねる難しさ、年を重ねることでの自分の居場所のなさを目の当たりにしたのは、千明(小泉今日子)の友人・水野祥子(渡辺真起子)もそうだった。彼女の元には、ある誤爆メッセージが届く。そこには部下が自分の知らないところで彼女を罵る言葉が。どんな言葉なのかは詳しく映されなかったが、どうやら「老害」だとか「早く退職してほしい」といった意味合いだったのだろう。悲しいかな、祥子は「私たちも若いときに思っていたよね」とそのメッセージに同意。だけれども、それでも生きていかなければならない、働かなければいけないのに……と悔しさを滲ませていたのだ。先日、この女子会で荒木啓子(森口博子)が「仕事辞める」と宣言したのと同様、会社における自分の居場所のなさ、どう頑張っても部下からは煙たがられる、異質な存在であることの不甲斐なさを感じさせた瞬間だった。

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