『未知のソウル』パク・ジニョンの告白にドキドキが止まらない リュ・ギョンスの過去に涙

“入れ替わり物語”を今の韓国ドラマ界が描くと、こんなにも深く、そして温かいのかと話題沸騰中の『未知のソウル』。日本、世界共にNetflixランキングではトップ層の常連で、韓国での視聴率も初回3.6%から、第8話では自己最高更新の首都圏8.3%を記録し、着々と上昇を続けている。(※)本稿では第7話から第8話を中心にご紹介したい。(以下、ネタバレを含みます)
本作は、主演を務めるパク・ボヨンの実質1人4役の演技が絶賛されているが、相手役のパク・ジニョンの誠実さと、甘酸っぱい初恋男子を思い出させる胸キュン演技にメロメロの視聴者も続出している。パク・ボヨン演じる、ユ・ミレとユ・ミジの双子の変化を描くとともに、回を重ねるにつれて、パク・ジニョン演じる弁護士イ・ホスと、リュ・ギョンス演じる農場経営者のハン・セジンとの恋愛模様も加速していく。ますます見逃せない展開となるなか、母親たちの物語でも涙を誘った。

ミレは、幼い頃から病気がちな自分が家族に迷惑をかけていることを心苦しく思い、勉強に打ち込んでいた。ミレは、自分とは違って健康で運動能力の高いミジが、スポーツで輝く姿を見て、「輝くことはできなくても、我慢はできるから」と心の中で思う。ミレのの我慢に我慢を重ねて生きる様子が、幼少期の頃からの積み重ねだと明かされ、切なくなる。ミレは、会社でも冷遇されている状態に甘んじているわけではなく、ひたすら家族のために我慢をしている。彼女は、決して好きで我慢をしているのではなく、迷惑ばかりかけていた自分は我慢すべきだと、自分の声を抑えつけて生きてきたのだ。そのミレが、セジンと出会ったことで彼女自身が持つ本来の興味や、人生を能動的に生きることに対して少しずつ前向きになっていく。
一方、ミジとホスの恋は、最高潮の胸キュンを迎えるのだが、その前に、ホスにも大きな成長が訪れた。ミジが仕事で担当しているキム・ロサ(ウォン・ミギョン)の土地売買の代理人として、ホスは、相手側の弁護士イ・チュング(イム・チョルス)に会うことになる。チュングは、ホスの憧れの存在であり、かつて勤めていた弁護士事務所のエースだ。彼は、ホスが担当していることを知ってこの案件を引き受けたようで、ホスの最大の急所を容赦無く指摘する。チュングは、ホスがロサの代理人として彼女の言葉を伝えるのみに留まっている姿を見て、「変に潔癖で深入りしない。知っていて口を閉ざすのは、優しさじゃない」とバッサリとホスの胸の中心を突く言葉を突きつける。

ホスは、繊細で優しい。自身が事故に遭って身体に障害を負ったことで、内面に抱えるものが大きい。心の内に傷を抱えた人は、他者への想像力を働かせることができる。それが労わりや優しさとなり、表出されるのだが、ホスの心の形成に彼と母ブノン(キム・ソニョン)との関係性があったのだ。
ホスの母で小学校の教頭であるブノンは、これまで冷静沈着でありながらも、子供思いで、ホスを愛する人物として描写されていた。しかし、今週は、ブノンと、ミジとミレの母オッキ(チャン・ヨンナム)が、掴み合いの大喧嘩になり2人そろってケガをして入院する事態に。発端となったのは、オッキがホスについて言った言葉をブノンが悪くとったことが原因だった。オッキはそもそも言葉がキツく、荒っぽい。そのことで彼女自身も母や娘との関係において悩んでいることも時折描写される。それに対して、オッキの荒っぽい言葉を受け流せる知的で大人な女性のブノン。2人の間にかろうじて保たれていた均衡が崩れたのは、ホスとミジの仲をからかわれたオッキから出た「手のかかる婿はお断りだよ」という言葉だった。ブノンには、この言葉がナイフのように胸に突き刺さったのだ。事故で体に障害を抱えた愛息子を侮辱されたと感じたブノン。




















