『めおと日和』最終回目前で“ロス”の声続出 芳根京子×本田響矢が愛された理由とは?

本作が好評を博しているのを見ると、筆者を含めた現代の視聴者はこれくらいシンプルな恋愛ドラマを求めていたのかと改めて実感した。現代で恋愛ドラマを作ろうとすると、社会的な要素を盛り込んだり、親子の関係、さまざまな価値観を持つキャラクターを投入して、複雑にしていかざるを得ない。そういった要素があるドラマは共感を呼ぶ一方で、自分の日常や悩みと近すぎてしまうと、観ていて疲れるという現象が起きかねないだろう。『波うららかに、めおと日和』は、現代から昭和初期を眺めることで、現実から距離をおいた非日常感を味わいつつ、2人の恋愛のかわいさだけに集中できるリラクゼーション効果を持っているドラマなのかもしれない。
思えば、元祖ムズキュンドラマである『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系/以下、逃げ恥)も、視聴者はモノローグを通して、みくり(新垣結衣)は知り得ない平匡(星野源)の感情の動きを楽しむことができた。視聴者が神の視点から2人を見守れることはムズキュンドラマとして大事な要素なのだろう。
社会的な側面もある『逃げ恥』は、そのリアルさとコミカルで真摯な語り口から平成後期に絶大な支持を受けた。かわいらしい恋愛描写を楽しみつつ、日常の中で溜まったストレスを代弁してくれるような内容に救われた人も多いだろう。
時代は流れ、令和7年。ままならない日常を前に疲弊した私たちは、心の内を代弁してくれるドラマだけでなく、日常を忘れて物語の世界と2人の関係だけに没頭できる恋愛ドラマを求めていたのかもしれない。

日々のリラクゼーションがあと2週で終わってしまうなんて本当に信じたくないが、癒されたからにはどんなに辛い展開があろうと最後まで見届けるのも視聴者としての務めだ。どうか穏やかな余韻と共に、観終えられますように。
西香はちによる同名コミックを原作としたハートフル・昭和新婚ラブコメ。昭和11年を舞台に交際ゼロ日婚からスタートする、歯がゆくも愛らしい“新婚夫婦の甘酸っぱい時間”を丁寧に描く。
■放送情報
『波うららかに、めおと日和』
フジテレビ系にて、毎週木曜22:00~22:54放送
出演:芳根京子、本田響矢、山本舞香、小関裕太、小宮璃央、咲妃みゆ、小川彩(乃木坂46)、戸塚純貴、森カンナ、高橋努、紺野まひる、生瀬勝久、和久井映見ほか
原作:西香はち『波うららかに、めおと日和』(講談社『コミックDAYS』連載)
脚本:泉澤陽子
音楽:植田能平
主題歌:BE:FIRST「夢中」
プロデュース:宋ハナ
演出:平野眞
制作協力:FILM
制作著作:フジテレビ
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