『めおと日和』“サブカップル”ふかふみが尊すぎる! 小関裕太はベストキャスティング

戦前の日本を舞台に縁談で出会ったなつ美(芳根京子)と瀧昌(本田響矢)の初々しい新婚生活を映し出す『波うららかに、めおと日和』(フジテレビ系)。放送後は必ずドラマのタイトルや登場人物の名前がSNSでトレンド入りし、劇中に登場したものと同じモデルのギメルリングが即完売となるなど、今期イチの話題作となった。純粋な恋愛ドラマがこれほどまでにヒットするのは、2016年放送の『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)以来ではないだろうか。
そんな本作も悲しいことに残りあと2話。最終回に向けて、さらに物語を盛り上げているのがサブカップルの“ふかふみ”こと深見(小関裕太)と芙美子(山本舞香)だ。胸キュンとほっこりが同時に押し寄せるなつ美と瀧昌の恋愛模様を甘々なミルクティーに例えるとなら、ふかふみの場合は微糖のコーヒー。女性の扱いに長けている深見と、聡明で自立心が強い芙美子による恋愛頭脳戦を楽しみつつ、その中にほんのり混じる甘味に脳の報酬系が大いに刺激されている。

モテてモテて困っている男が自分になびかない女に興味本位で近づいたつもりが本気で惚れてしまうという少女漫画の王道のシチュエーションを見せてくれる“ふかふみ”。女性なら一度は芙美子の立場を味わってみたいと思うのではないだろうか。
だが、当初の深見は少々嫌味な男だった。花街には通っているが、面倒だからとなじみの芸者は作らない主義。新婚で浮かれている瀧昌を小馬鹿にし、連絡もなく帰宅が遅くなった瀧昌をなつ美の代わりに叱咤した芙美子に「仕事を優先して何が悪いんです」と言い放つ。そういった言動から軽薄そうな雰囲気が漂っており、はじめは警戒していた芙美子がのちに深見の誠実な一面に触れて見直す展開への布石となっていた。

『あのクズを殴ってやりたいんだ』(TBS系)と『御曹司に恋はムズすぎる』(カンテレ・フジテレビ系)ではハイスペックで性格もいい当て馬キャラを好演した小関だが、意外なほどにダメ男役もハマる。直近で印象的だったのは、『素晴らしき哉、先生!』(ABCテレビ・テレビ朝日系)で演じた主人公であるりお(生田絵梨花)の恋人・聖也だ。浮気した挙句、りおが忙しかったからと責任を転嫁する聖也に思わず「はぁ?」という声が漏れたのは言うまでもない。『来世ではちゃんとします』(テレビ東京系)シリーズでも、小関は無意識に女性をたらし込み、沼落ちさせる魔性の男を演じていた。