フローレンス・ピュー、“坊主姿”の役作りと覚悟語る 『We Live in Time』メイキング映像

全国公開中の映画『We Live in Time この時を生きて』のメイキング映像が公開された。
本作は、『ミッドサマー』『サンダーボルツ*』のフローレンス・ピューと、『アメイジング・スパイダーマン』『ソーシャル・ネットワーク』のアンドリュー・ガーフィールドが主演を務めたラブストーリー。『ブルックリン』で第88回アカデミー賞作品賞にノミネートされたジョン・クローリーが監督を務めた。
物語の主人公は、新進気鋭の一流シェフ・アルムート(フローレンス・ピュー)と、離婚して失意のどん底にいたトビアス(アンドリュー・ガーフィールド)。何の接点もなく、自由奔放なアルムートと、慎重派のトビアスという正反対の性格を持つ2人が、運命的に出会い、恋に落ちる。幾度も試練を迎えながらも、やがて共に暮らし始め、娘が生まれ、家族としての絆を深めていく。そんな中、アルムートの余命がわずかであることがわかり、共に生きるトビアスに驚きの決意を告げる。
公開されたのは、主人公アルムートが髪を剃るシーンにフォーカスしたメイキング映像。主演のピューが実際に髪を剃り、ワンテイクで撮影されたというこのシーンは、キャストと製作陣の並々ならぬ覚悟が込められている、本作の中でも特に重要な場面のひとつ。病気のため髪を剃るアルムートが、その出来事を家族にとっての「楽しい思い出」に変えようとする、穏やかで美しいシーンだ。2023年、突如披露されたピューの大胆な坊主ヘアは、ファッションイベントやレッドカーペットの場にて注目を集め、SNSやメディアでも大きな話題に。しかしそのスタイルは、本作に深く寄り添った役作りの一環だったことが、今回の映像で明らかになった。その後も、伸びてきた髪を幾度もカラーチェンジするなど、常に大胆な変化を見せてきたピュー。印象的なヘアスタイルの背景にあった、知られざる役作りの秘話も明かされている。
はじめて脚本を読んだときの心境について、ピューは「脚本での髪を剃るシーンは、とても美しく、幸福感や生命感に満ちていたの。映画のメッセージが深く理解できた」と語る。一方で、彼女の髪を実際に剃ったガーフィールドは、ピューとは対照的に緊張しながら撮影に挑んだそうで、「人の頭を剃るなんて初めてでドキドキした。しかもカメラの前でだ」と撮影時の様子を率直に振り返っている。
当初、スキンヘッド用のカツラでの撮影を想定していたというクローリー監督も、「彼女は初めて会ったときこう言った。“この役のために髪を剃る”」と、ピューの言葉に驚いた当時のエピソードを明かしている。それに対してピュー自身は、「剃らない選択肢はなかった。このような役柄では演技の内だもの」とまっすぐに語った。クローリー監督は、続けて「我々は時間をかけて、物語ではない現実感を描き出していく。頭を剃るというのは、明らかに現実の行為で、役柄にとって極めて重みのあることだ」とワンテイク撮影の意義を語った。
また、このシーンを含む多くの場面は、手持ちカメラによる至近距離の撮影で行われている。実際に撮影を担当した撮影監督のスチュアート・ベントリーは、ピューの演技に胸を打たれて涙を流し、撮影を一時離れなければならないこともあったという。ピュー以外の全員が目に見えてナーバスになっていたという撮影日について、ベントリーも「うまくいくか不安だった。やり直しがきかない一発撮りだったからね」と、当時の張りつめた空気を振り返った。
さらに、ガーフィールドは娘役を演じた子役グレース・デラニーの演技を絶賛。「娘役を演じた子役は存在感のある名女優だ。彼女のおかげで自然に演じられた。絆と愛を感じることができたよ」とコメントしている。
最後にクローリー監督は、「二人とも卓越した感情表現を見せている。特に、二人が笑い合うときの目の輝きが印象的だった。この映画で最も好きなシーンの1つだ」とキャストの演技を称賛し、締め括った。

■公開情報
『We Live in Time この時を生きて』
全国公開中
出演:フローレンス・ピュー、アンドリュー・ガーフィールド
監督:ジョン・クローリー
配給:キノフィルムズ
提供:木下グループ
2024年/フランス・イギリス/英語/108分/カラー/スコープ/5.1ch/字幕翻訳:岩辺いずみ/G
©2024 STUDIOCANAL SAS – CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION
公式サイト:https://www.wlit.jp
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