上坂樹里、『風、薫る』で“朝ドラ”の大舞台へ 『御上先生』などこれまでの軌跡を振り返る

『風、薫る』上坂樹里のこれまでの軌跡

 2026年度前期のNHK連続テレビ小説『風、薫る』で、見上愛とWヒロインを務めることが発表された上坂樹里。彼女が演じるのは、激動の明治時代を生きるトレインドナース・大家直美。親に捨てられ、教会を転々としながら生きてきたという重い過去を持つ人物で、生き抜くためなら多少のズルや嘘も厭わない……という、いわゆる“清純派”のヒロイン像からはやや外れた、陰影のあるキャラクターだ。

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 そしてなにより注目すべきは、その役に抜擢された上坂が、まだ19歳という若さであるということ。モデル出身というバックグラウンドに加えて、NHKドラマを中心にじわじわと経験を重ねてきた彼女にとって、本作はいわば“覚悟の大舞台”と言っていい。

 実際、彼女がこれまで演じてきた役柄を振り返ると、そのすべてが『風、薫る』へとつながる布石のようにも見えてくる。

 たとえば、日曜劇場『御上先生』(TBS系)。松坂桃李演じる教師・御上が担任するクラスの生徒、東雲温を演じた上坂は、真面目で一本気、だけどどこか空回りしてしまう10代の痛みを、決して大きな声ではなく、視線や表情の“間”で丁寧に描いていた。セリフは決して多くないのに、なぜか目が離せなくなる。立っているだけで、内に秘めた感情が伝わってくるような佇まいがあった。

 さらに、連ドラ初レギュラーとなった『ビリオン×スクール』(フジテレビ系)では、内気で自己肯定感の低い生徒・梅野ひめ香を好演。自分の意見を言えない、けれど誰よりも周囲を気にしている。そんな“影のある少女”を演じる姿は、まさに朝ドラで演じる直美にも通じるところがある。だからこそ、制作統括・松園武大が語った「とてもとても自然でまっすぐなお芝居が印象的でした」という起用理由にも頷ける(※)。モデルとしての透明感と、役柄に対して真っすぐに向き合う芯の強さ。二つのベクトルが共存しているからこそ、上坂樹里という俳優には明治を生きる女性がしっくりくる。

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