『恋は闇』設楽浩暉の目的は何なのか? “採血”の意味、みくるとの“共犯”関係を徹底考察

志尊淳と岸井ゆきがW主演を務める日本テレビ系水曜ドラマ『恋は闇』。これまで犯人と疑われる行動を起こしてきた設楽浩暉(志尊淳)が、第8話でいよいよ万琴(岸井ゆきの)にも犯人ではないかと疑われインタビューが実施される。本人は犯人ではないと言い切っているが、採血収集をしている理由にあまり正当性がなかったり、異母妹・みくる(齋藤飛鳥)とは何か秘密があったりと、いまだ疑惑が続いている状態。そこで改めて浩暉の目的とは何かについて考察してみたい。
第7話で、浩暉の家に現れた謎の女性・みくるは浩暉の異母妹だと明かされた。浩暉が7歳のとき、父親である設楽貫路(萩原聖人)の愛人・夏目杏子(吉田伶香)が、4歳のみくるを連れて設楽家にやってくる。貫路は何年も前に家を出ていったきりで、愛人の前からも姿を消していた。杏子はみくるを浩暉の母・設楽久美子(紺野まひる)に押し付けて姿を消してしまう。久美子は杏子をしぶしぶ受け入れたものの夫の隠し子である彼女を疎み、ネグレクトを続けた。義務教育までは面倒を見たが、高校へは行かせないと辛く当たる母の態度を見かね、大学進学を機に浩暉はみくるを連れて家を出て、今日まで2人で暮らしてきたと説明。
「俺は母親の死を悼んではいるけど、あの人のことを許してはいない。あの人がみくるにしたことは、いや、“しなかったこと”か。あれは十分罰せられるべきことだと思う。何もしないという罪は、何かをしたっていう罪よりも見つけにくいんだ。夫への復讐だと今になって思うけど」と万琴に告白。ただ「でもみくるにはもうそろそろ自立してもらうから」とみくるに告げ、戸籍の問題がクリアしたのか、何かの病気が完治したのか、それとも連続殺人事件が終わりを告げる意味なのか。

これまでは母親が殺されたことへの強いトラウマや懺悔の念が強い人物のように描かれていたが、そのイメージは覆された気もする。ただ、たとえみくるに戸籍がないとしても中学校まで通わせたのなら久美子が殺された際に警察に記録がないのはおかしい。それを考えると中学まで通わせた話も眉唾物だ。
浩暉はなぜ「血」に執着しているのか?
そして浩暉が血に執着する異常な行動について。浩暉は東京中央病院で警備員のバイトをしていた当時、看護師の新田透子(小林涼子)と付き合い、注射の練習台になったのがきっかけに自身も採血に興味を持ち、掛け持ちバイトのホストクラブで客の女性に採血させてほしいとお願いしていた。現在も浩暉の自宅には注射針が届いたり、冷蔵庫には血液バッグが入っているなど異常な状況が続いている。
これらの疑問について浩暉は、採血の練習はただの興味本位。ホスト時代にお客さんの血を欲しがったのはビビらせるため。貫路とはつながっているわけではなく、居場所を探していたら偶然目の前に現れただけ。冷蔵庫に入っていた血は貧血気味のみくるのためにネットで買ったスッポンの生き血だなどと万琴の疑問に答えるが、万琴以外は誰も信じないだろう。

ここで「ホルスの目殺人事件」の元凶とされる、同事件と酷似したかたちで久美子が惨殺された10年前の「立川市女性弁護士刺殺事件」を振り返りたい。殺人犯として逮捕されたのは貫路。当初は容疑を否認するも、その後「自分がやった」と自供。そして10年の刑期を終えて前年の12月に出所してからホルスの目殺人事件が続いている。
しかし警察が当初被疑者としてマークしていたのは第一発見者で当時20歳の浩暉。鑑識の松岡(浜野謙太)は浩暉の服の血が乾いているのを発見しており、もしすぐ通報していれば乾かないはずだと疑っていた。今でも浩暉はその殺害現場をフラッシュバックすることが多く、なぜ自分が血だらけだったのか記憶がないと言い、ホルスの目殺人事件の容疑者として警察が疑い続けることから、浩暉は自らの手記で父親と母親の事件について公にして身の潔白を訴えている。





















