『恋は闇』設楽浩暉の目的は何なのか？　“採血”の意味、みくるとの“共犯”関係を徹底考察

浩暉とみくるの「共犯関係」とは？

　浩暉の話とこれまでの映像を信じるならば、久美子を殺したのはみくるだと推測できる。当時、浩暉と久美子は久々の再会をすることになっていた。たとえばそのときに一緒にみくるを連れていっていたならば、久美子にとってみくるは最愛の息子を奪った憎き愛人の娘、みくるはネグレクトをされた積年の恨み以上に浩暉を慕う思いから2人が修羅場と化し、みくるが久美子を刺して逃走。当時の浩暉の服についた血が乾いていた理由は、殺人現場を発見した浩暉がみくるを探しに家に戻りタイムラグがあったからだと考えられる。

　透子の話によると、浩暉が警備のバイトを辞める直前、院内の血液製剤の数が合わないことが頻繁に発生し、それで内部調査が始まった途端、音信不通になったという。また、警察から浩暉がC型肝炎のキャリアかどうか知らないかと聞かれたという。確率は低いが、C型肝炎キャリアの久美子の返り血を浴びてみくるが感染していたのなら、感染ルートから犯人だと疑われるので、浩暉はみくるがC型肝炎が治るまでかくまい、治療のために血液製剤を入手していたのか。そして当時貫路は、息子か娘が久美子を殺したことを聞かされ身代わりとなったと思われる。

　第6話でみくるが万琴に直接会い、2人の関係を「共犯者」だと言い、「あなたはこっちに来る覚悟はあるんですか？　あなたは本当のひろくんを知らない。ひろくんはあなたに話さない。絶対に」と話していて浩暉の告白との温度差をかなり感じる。

　しかし、みくるがホルスだった場合、浩暉が記事にして公にすることはみくるを追い込むことになるので、その線は極めて低い。ただ、みくるの弱みを握るホルスの真犯人がいた場合、みくるをネタに浩暉を脅し、事件を錯乱させるために協力させられていた可能性は考えられる。第7話で貫路の隠れ家に訪れた野田が、「いつまで息子を庇うつもりだよ」と言っていたが、みくるなら娘だろうし、浩暉とは出所後も繋がっているようなので直接止められると思う。

　そこで、浩暉には他に異母兄弟がいるという説もあるかもしれない。みくるのように苦労した愛人の子が他にいるのなら、貫路ならびに設楽家に復讐心を抱くのは不思議ではない。貫路はエジプト神話に造詣が深いようだが、ホルスの物語は血族同士で争うドロドロな話。血を抜く行為も神話の儀式の一つで貫路へのアピールなのだろうか？　浩暉はある程度犯人の目星が付いているようだが、その確信を得るためにこれまで泳がせ、結果的に貫路と一緒に追求していると考えられる。貫路が万琴に接触した理由は定かではないが、万琴も人間ドッグを受けたことでターゲットのひとりになっていることを忠告しにきたとか。

　第7話で、浩暉は「TEMARU」というおにぎり屋を遠くから張っていた。ここで働く女性（太田美恵）が23年前にみくるを連れてきた母親なのか？　それとも真犯人の母親か？　あのズケズケと取材に入り込む浩暉が遠くから監視するというのは、よっぽど重要な人物か顔見知りなのだろう。浩暉が編集長から病院の事件の調査を命じられた際に「あれよりデカいスクーププレゼントしますから」と言っていたのがここに繋がってきそうだ。

　この店は、殺された大和田刑事（猫背椿）が第6話でおにぎりを買いに来ていた場所だ。そして店を出るとフードデリバリー配達員の夏八木唯月（望月歩）に遭遇。唯月は大和田の買ったものを見て「TEMARU」の商品だとすぐに分かり、2人はお互い母子家庭だと話し、唯月は母に楽をさせるため早く稼ぎたいと思ってこの仕事を始めたと語っているシーンがわざわざ描かれた。唯月は万琴が襲われた5月5日の事件も近くで配達をしていて、カフェの防犯カメラにも映っている犯人候補のひとり。浩暉と万琴が歩いているところを遭遇した際、唯月に「どこかで会ったことありましたっけ？」と聞かれ、「ん？　どうでしたっけ？」と浩暉がシラをきる際に使うセリフを言っていたり、「気をつけないと彼氏さん犯人にされちゃうよ」と警察が怪しんでいることを助言した際に手渡された名刺を、浩暉は握りつぶしていたりと、浩暉と唯月との間には何かありそう。浩暉が戸籍・住民課に行っていたのは、みくるのことではなく、貫路が認知した子供が他にいるか確認をとりに行っていたとしたらどうだろう。

　ただ、この説は唯月以外でもハマり、唯月は単に殺人も請け負う死の配達員という闇バイトの一面を持っていたら、「誰が依頼をしているのか？」ということになるかも。

　とはいえ、浩暉の二重人格説は拭いきれず、採血をする理由、幼少期に万琴と会った思い出など未だ不可解。浩暉はインタビューで何を語るのか？　そして万琴の地元に行くようだが事件とどう関係してくるのか。

■放送情報
『恋は闇』
日本テレビ系にて、毎週水曜22:00〜放送
出演：志尊淳、岸井ゆきの、森田望智、白洲迅、齋藤飛鳥、望月歩、小林虎之介、浜野謙太、猫背椿、西田尚美、萩原聖人、田中哲司
脚本：渡邉真子
音楽：末廣健一郎
監督：小室直子、鈴木勇馬
プロデューサー：鈴間広枝、能勢荘志、松山雅則
チーフプロデューサー：道坂忠久
制作協力：トータルメディアコミュニケーション
©日本テレビ
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