『あんぱん』朝田家も参加 『エール』『ブギウギ』にも登場した“国防婦人会”とは?

朝ドラに度々登場する“国防婦人会”とは

 戦時中は地方で慰問公演を行っていたスズ子(趣里)やりつ子(菊地凛子)の姿が描かれた『ブギウギ』(2023年度後期)では、「国防婦人会」の女性たちが派手な装いで登場するりつ子に反発。彼女たちは自主的に贅沢を禁止しており、取り締まりをしていた。当然、自分が信じた道を突き進むタイプのりつ子がこれに屈することはなく、「これは私の戦闘服です。丸腰では戦えません」とキッパリ返すのであった。

朝ドラになぜ“働かない父”が登場するのか 『ブギウギ』脚本・櫻井剛が描く心情の揺らぎ

脚本家が足立紳から櫻井剛へ。朝ドラことNHK連続テレビ小説『ブギウギ』第9週「カカシみたいなワテ」は櫻井の担当週で、日本に戦争の…

 そして、『虎に翼』(2024年度前期)では寅子(伊藤沙莉)の親友で義姉でもあった花江(森田望智)が「婦人会」に参加する。花江の夫・直道(上川周作)は出征しており、きっと花江も「自分も何かしたい」という思いが高まったのだろう。一方で、自分の夫・優三(仲野太賀)も出征していたにも関わらず、寅子は「婦人会」には参加しなかった。この寅子と花江の違いが、より寅子のその時代における“異質さ”を物語るものとなっていた。

 このように朝ドラでは、やや行きすぎた行動をする「婦人会」に対して、特にメインキャストの女性が反発するという姿が描かれてきた。しかし、『あんぱん』のヒロイン・のぶは婦人たちと積極的に関わっていく。実は「婦人会」は、若くして結婚し、嫁いだ家で家事・育児に追われていた女性たちに、仲間とともに社会のために何事かを成し遂げる機会を与えることにつながっており、活動自体にやりがいを感じる女性も多くいたそう。ある種、「女性解放」的な側面を持っていたということだ。『あんぱん』では、歴代の朝ドラとは異なる、「婦人会」の別の一面を描いているのかもしれない。

■放送情報
2025年度前期 NHK連続テレビ小説『あんぱん』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00〜8:15放送/毎週月曜〜金曜12:45〜13:00再放送
BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30〜7:45放送/毎週土曜8:15〜9:30再放送
BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30〜7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:今田美桜、北村匠海、加瀬亮、江口のりこ、河合優実、原菜乃華、細田佳央太、高橋文哉、中沢元紀、大森元貴、志田彩良、二宮和也、瀧内公美、山寺宏一、戸田菜穂、浅田美代子、吉田鋼太郎、竹野内豊、阿部サダヲ、妻夫木聡、松嶋菜々子
音楽:井筒昭雄
主題歌:RADWIMPS「賜物」
語り:林田理沙アナウンサー
制作統括:倉崎憲
プロデューサー:中村周祐、舩田遼介、川口俊介
演出:柳川強、橋爪紳一朗、野口雄大、佐原裕貴、尾崎達哉
写真提供=NHK

関連記事

リアルサウンド厳選記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる