『あいつは黒炎竜』『弱いヒーロー』で注目集める期待の若手 チェ・ヒョヌクが放つ存在感

期待の若手チェ・ヒョヌクが放つ存在感

 2023年、Huluで日本初配信となった学園アクション韓国ドラマ『弱いヒーロー Class1』(2022年)では、勉強以外に興味がなく誰とも群れない優等生の主人公ヨン・シウン(パク・ジフン)のクラスメイトである、アン・スホ(チェ・ヒョヌク)役としてさらに注目を集めた。暴力が支配する学校生活の中で、複雑な心境や葛藤を抱える高校生たちの人としての弱さ、未熟さを曝け出す同作。

『弱いヒーロー Class1』©︎Content Wavve Corp.

 学生役はお手のものといえるチェ・ヒョヌクは、心に強い想いを秘めた正義感の強いスホを見事に演じている。しかし、運動神経抜群で喧嘩が強いがむやみに闘わないスホは、ラストで性根の腐りきった悪友に痛めつけられ、意識不明となる。現在、『弱いヒーロー Class 2』がNetlixで配信されており、しばらくスホは出てこないものの、シウンはことあるごとにスホを思い出す。暴力シーンが多いストーリーの中で、ラストでのシウンとスホの再会に心底安堵した。

 2023年のファンタジー青春ロマンス『輝くウォーターメロン ~僕らをつなぐ恋うた~』は、『弱いヒーロー Class 2』でシウンの転校先の同級生パク・フミン役で登場したリョウンとチェ・ヒョヌクのダブル主演作。リョウン演じるハ・ウンギョルは、CODA(Child Of Deaf Adults=耳が聞こえない親元で生まれ育った子)として、幼少時から両親と兄を助けてきたが、同級生からは嫌がらせをされていた。ある日、楽器店のおじさんからギターを習ったことで音楽が心の拠り所となり、親に内緒でバンドを始めるも父イチャン(チェ・ウォニョン)にバレて大反対される。バンドを諦めてギターを売りに楽器店へ行った帰り、1995年にタイムスリップ。まだ耳が聞こえていた高校生の父イチャンと出会い、バンドを結成するのだった。

『輝くウォーターメロン~僕らをつなぐ恋うた~』©︎STUDIO DRAGON CORPORATION

 この高校生のイチャン役を演じているのが、チェ・ヒョヌク。ファンタジーものが好きな筆者は、タイムスリップの設定に興味を惹かれたもののよくある設定でもあり、ふわふわとした学園ものかと思いきや、そうではなかった。聴覚障がい者やCODAを丁寧に描き、それぞれの個性によってどのような世界が生まれ、現実と向き合ってきたのかを提示。父の耳が聞こえなくなる事故を防ぐために、ウンギョルがひたすらイチャンのために尽くす姿は家族への深い愛情を感じさせ、イチャンもウンギョルの気持ちに応えるように友情が芽生え、時を超えて心が通い合っていくふたりにじ~んとさせられる。

『輝くウォーターメロン~僕らをつなぐ恋うた~』©︎STUDIO DRAGON CORPORATION

 舞台となった1995年は、若い世代にはレトロに、大人世代には懐かしく、バンド演奏シーンではチェ・ヒョヌクのギターパフォーマンスも楽しく、家族や友達との絆や恋愛など、高校時代の青春のきらめきが満載。現時点では、やっぱり学生同士でわちゃわちゃしている役のチェ・ヒョヌクはしっくりくるし、今後は学生役が少なくなるだろうけれど20代のうちはたまに学生役として煌めく青春を見せてほしいな、と勝手に思っている。

 今後は、ヴァンパイア役のペ・スジ主演のドラマ『眩惑(原題)』に出演するのではないかといわれているチェ・ヒョヌク。ファンタジーミステリーらしいが、どんなキャラクターとして彼が登場するのか、期待している。

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