『君たちはどう生きるか』を読み解く“鑑賞のヒント” 初見時に知っておきたい3つのポイント

スタジオジブリの最新作『君たちはどう生きるか』が、5月2日に日本テレビ系『金曜ロードショー』にて本編ノーカットで地上波初放送される。
本作は、『風立ちぬ』以来10年ぶりの宮﨑駿監督による新作アニメーションとして2023年に劇場公開。第81回ゴールデングローブ賞のアニメーション映画賞、第96回アカデミー賞の長編アニメーション映画賞を受賞するなど国際的にも高く評価された一方、事前に予告や詳細がほとんど明かされないまま公開された背景もあり、公開後には賛否が大きく分かれた作品でもある。
本稿では、『君たちはどう生きるか』をこれから初めて観る方に向けて、理解の手助けとなる“鑑賞のヒント”を3つの視点で紹介していく。
吉野源三郎の小説とは内容が大きく異なる
まず意識しておきたいのは、タイトルの印象に引っ張られすぎないことだ。『君たちはどう生きるか』と聞いて、「人生の教訓を与えてくれる作品なのでは」と期待してしまうかもしれないが、実際の物語はその逆をいく。明確な答えは示されず、むしろ観る者それぞれに問いを返してくるような作りになっているのだ。

本作のタイトルは、1937年に刊行された吉野源三郎による同名小説に由来する。2017年には羽賀翔一による漫画版も登場し、幅広い世代に広く知られるようになった。ただし、映画のストーリーは小説とは直接つながっておらず、内容も大きく異なる。
物語に込められたモチーフや暗示に気づく助けにはなるものの、特に予習をしていなくても不安になることはない。ただ、劇中序盤にこの本がキーアイテムとして登場する場面があるとだけ伝えておこう。




















