『あんぱん』河合優実が叶わぬ恋心を語る 2度目の受験に挑む北村匠海の結果は“チル”

岩男(濱尾ノリタカ)との縁談を前に、蘭子(河合優実)が口を開いたのは、誰にも明かせずにいた胸の内だった。一方、夢を追う嵩(北村匠海)は京都の受験に挑むも、「チル」の報電を受け取る。『あんぱん』(NHK総合)第24話では、恋と夢、それぞれの岐路に立たされた若者たちが、自分自身の答えを探そうとする。
岩男の縁談を引き受けることにした蘭子。それを聞いたのぶ(今田美桜)は自慢の快足を活かして、蘭子と岩男が話をしている喫茶店へと向かった。蘭子が「この間のお返事ですけんど……」と言いかけたその時、のぶが血相を変えて喫茶店に乗り込んできた。現代的な価値観からしたら他人の結婚話に首を突っ込むのは無粋にも思えるが、のぶにとってはそうではない。岩男の誠実さを知っているからこそ、なおさら「この結婚は違う」と直感したのだ。
のぶは息を整えながら、自分の考えをまっすぐにぶつける。「蘭子はうちの家を助けるために結婚しようとしゆう。なんで一人で背負いこむがで!」。その声は怒りというより、哀しみに近かった。決意を決めてきた蘭子。のぶの言葉を聞いた蘭子の表情は動揺を隠せない様子だったが、どこか少しばかり晴れやかにも見えた。それは長い間、誰にも言えずにいた気持ちが、のぶの言葉でほどけたかのよう。そして畳み掛けるように、メイコ(原菜乃華)がやってきて、蘭子がパン食い競争でズルをした岩男にとてつもない悪口を浴びせていたことを暴露する。不意打ちのような一言に呆然としたまま動けずにいる岩男。3人には悪気がないからこそ、岩男のことを思うと、かえって胸が痛い。

強引に蘭子の手を引いて家に連れ帰ってきたのぶ。そこで蘭子はなぜ岩男と結婚しようとしていたのかを打ち明ける。蘭子には好きな人がいるが、その人は自分のことをなんとも思っていない。その人と結ばれないのであれば、誰と結婚しようが同じだと。蘭子が恋心を寄せているのは原豪(細田佳央太)だ。原豪の蘭子への気持ちの描写は限られているが、蘭子を見つめる視線はいつも優しくて、特別な感情すら感じさせた。それが好意なのかはわからない。だが、蘭子には自分の気持ちをまっすぐ伝えてほしいと切に願う。
そこから時が流れ、昭和11年8月。ベルリンオリンピックの開催に湧く中で、のぶとうさ子(志田彩良)は薙刀の練習に打ち込んでいた。最初はのぶと圧倒的な差があったが、休みの日も練習を重ねてきたうさ子はとても頼もしく、強くなっていた。




















