『子宮恋愛』松井愛莉の“憂いの表情”に釘付け まきの想いと“共鳴”するED曲「愛煩い」

「私の子宮が恋をした。」という過激なキャッチコピーで放送前から注目を集めていた松井愛莉主演ドラマ『子宮恋愛』(読売テレビ)は、第3話の終わりで、既婚者であるまき(松井愛莉)がいよいよ同僚の山手(大貫勇輔)に心惹かれていることを自覚した。すると、本作のエンディングテーマである「愛煩い」の歌い出し、〈それでもあなたがいい〉という歌詞が、これまでよりも強くはっきりと聞こえてきた。
ハウスメーカーの営業事務として働くまきは、とにかく自分の気持ちを主張できず、ぐっと飲み込んでしまう性格。仕事場では、他人の発注まで管理するほどテキパキと仕事をこなしていくが、実はこれは、頼まれるとキッパリと断ることができないため。同僚からは信頼されてはいるが“体よく使われている”と言えなくもない。

そんなまきは、結婚して6年になる夫・恭一(沢村玲)に対してはもはや感情を使わないようにしているようだ。第1話はまきと恭一とのセックスシーンから始まるが、まきはずっと無表情。しかも終わった後には「明日はいい日になるかな」なんて呟いていた。
アイドルグループさくら学院の元メンバーという経歴を持ち、『ゼクシィ』6代目CMガールにも抜擢されたことのある松井は、キラキラハッピーオーラをまとうキャラクターがよく似合う。『西園寺さんは家事をしない』(2024年/TBS系)で演じた、天才エンジニア・楠見(松村北斗)の妻・瑠衣役もそうだ。楠見にとって大学時代に出会った瑠衣は太陽のような存在だった。だから彼女の死は、楠見を無表情で無愛想な人間に変化させてしまったのだ。
しかし、本作で演じるまきは、笑っていてもどこか憂いのある女性。松井は、そうした言葉にならないまきの心情を細かい仕草で見事に表現している。たとえば、まきの大きな目はちょっと悲しい時にはスッと伏せられ、心外なことを言われた時には無駄に傷つかないように気を張るからか、さらに大きく見開かれる。そしてこれらの仕草は、松井がもともと持つ華やかな雰囲気と相まって、“何かを我慢している”ことを強調することにもつながっているのだ。

だが、同僚の山手(大貫勇輔)と出会ったことでまきの心には変化が生まれてきている。
この揺れ動くまきの心をそのまま歌っているのがエンディングテーマである「愛煩い」だ。疾走感のあるサウンドと切なく響きつつ、突き刺さるようなクリアな歌声は、まきがまだはっきりとは自覚できていない強い感情を代わりに叫んでくれているようである。
歌っているのは2023年3月に結成された4人組のガールズロックバンド 「Faulieu.」。バンド名には“中間”や“環境”という意味のフランス語が含まれており、「4人と幾千の“あなた”の間を繋ぐ存在になれますように」という願いが込められているという。
この曲は、まきが“自分の本当の気持ち”を自覚した、これからにこそ、さらにドラマと共鳴してくる曲となるはずだ。






















