長倉家と千明の姿から再確認 『続・続・最後から二番目の恋』における“恋”の意味

『続・続・最後から二番目の恋』“恋”の意味

 この時、成瀬と和平が声を揃えて「あ!」というのが絶妙である。名言や心を揺さぶる展開と、大真面目だからこそクスッと笑える要素のバランスこそが、このドラマのおもしろみだと再確認させられた。

 話は変わるが、今回からこの『最後から二番目の恋』シリーズを観た人のために、過去シリーズでの名言、“最後から二番目の恋”というワードに込められた意味も紹介したい。

 それはシーズン1『最後から二番目の恋』の最終回「第11話 まだ恋は終わらない~最終回」でのこと。同話のクライマックスに流れたモノローグで、千明は「人生って自分の未来に恋をすることなのかもしれない。自分の未来に恋をしていればきっと楽しく生きていける。46歳、独身。人生のまだ恋は終わらない」との言葉を残す。そして「もしこれから誰かと恋をするのだとしたら、それを最後の恋だと思うのは止めよう。次の恋は最後から二番目の恋だ。その方が、人生はファンキーだ」と続け、締め括ったのであった。

 つまり“最後から二番目の恋”の恋というワードには、単なる恋愛としての恋、そして自分の未来に対して前向きな気持ちを持って期待すること、2つの意味がかけられている。そういう意味では、今回放送された第3話はそれぞれの“恋”が詰まっていた回だと筆者は解釈した。

 雑誌『湯煙美人』のグラビアに出演するために人知れずダイエットを続ける典子(飯島直子)。なにか隠しているような気配がありながらも前向きに家族との“幸せ”を噛み締める真平(坂口憲二)。そして、自分自身のキャリアは「千明のため」と言い切るも、ちょっとしたモヤつきを感じているような素振りを見せる万理子(内田有紀)。そして、加えるなら鎌倉市長・伊佐山良子(柴田理恵)から「鎌倉市長にならないか」と誘われる和平。そして、前回から退職前に1発ヒット作を作ると意気込んでいる千明。11年経とうと、このドラマのキャラクターたちは自分の人生に恋をし続けている。そう思うと、なんだか勇気づけられた、そんな放送回だった。

『続・続・最後から二番目の恋』の画像

続・続・最後から二番目の恋

鎌倉を舞台に、テレビ局プロデューサーの主人公と、市役所で働く公務員の恋を描いたロマンチック&ホームコメディ。2012年1月に第1期の連続ドラマ、同年11月にスペシャル版、2014年に第2期が放送され、本作はその続編となる。

■放送情報
『続・続・最後から二番目の恋』
フジテレビ系にて、毎週月曜21:00~21:54放送
出演:小泉今日子、中井貴一、坂口憲二、内田有紀、飯島直子、久保田磨希、松尾諭、佐津川愛美、白本彩奈、広山詞葉、美保純、柴田理恵、浅野和之、渡辺真起子、森口博子、石田ひかり、三浦友和ほか
脚本:岡田惠和
プロデュース:若松央樹(フジテレビ)、浅野澄美、郷田悠(FCC)
演出:楢木野礼、高橋由妃、西岡和宏(フジテレビ)
主題歌:浜崎あゆみ「mimosa」(avex trax)
制作協力:FCC
制作著作:フジテレビ
©︎フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/nibanmeno_koi/
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