桜井ユキが“強気”なキャラを脱却 『しあわせは食べて寝て待て』で見せるギャップ

また、桜井はインタビューで、自分のパブリックイメージについて、「自分でも『私の顔ってキツいな』と思っているので、『そりゃあ、気の強い役が来るよね』という感じです(笑)」とコメントしている(※3)。さらに、さとこが今までとは少しイメージの違う役どころであることについては、自身も「なぜ自分にオファーが来たのか」という思いに駆られたことを明かしている。そんな自他ともにギャップのある役柄だと認めているが、本作で桜井が“強気”ではないさとこを演じていることに違和感を感じない。記事内では、さとこの役作りについても語っているので、ぜひ一読してほしい。
桜井ユキが明かす“自分と向き合う時間”の大切さ 俳優の仕事は「生きる意味」
数々の名作を生み出してきたNHKドラマ10枠。視聴者の心を揺さぶり、癒やしてきたこのドラマ枠に新たな仲間入りを果たすのが、桜井ユ…すでに本作で明らかにされているが、さとこの抱える病気とは「膠原病」。さとこの場合、発熱や関節の痛み、強い倦怠感に襲われるという症状だが、人によってその症状はさまざまだという。膠原病を患ったことで仕事を失い、住まいも変えざるおえなくなってしまった週4日パート勤めの38歳独身。「そりゃあ鬱々としてしまうよな、いやむしろ鬱々とするのが普通なのでは」とさえ思う。このままいけば“鬱々としたドラマ”で終わってしまうが、「薬膳」がそうはさせない。

「薬膳」に出会ったことで、さとこには少しずついい変化が訪れている。例えば、「薬膳」を通じてパート先のデザイン事務所の人々と打ち解けたり、そこに出入りする編集者・青葉乙女(田畑智子)と2人でご飯を食べにいくようになったり。第4話で、青葉から、自分ではどうにもならない状況を持ち堪える能力「ネガティブ・ケイパビリティ」という言葉を教わる。さとこにとって、「自分ではどうにもならない状況=膠原病」、そして「それを持ち堪える能力=薬膳」ということなのだろうか。いよいよ物語も中盤へ差し掛かる。これからさとこにはどんな変化が訪れるのか、そしてどう変化するのか、最後まで見守りたい。
参照
※1. https://www.nhk.jp/p/ts/B9N328J5VP/blog/bl/px9GA4Qed6/bp/pQwqLov6rP/
※2. https://www.hbf.or.jp/awards/article/46_hbfprize
※3. https://realsound.jp/movie/2025/04/post-1974274.html
■放送情報
ドラマ10『しあわせは食べて寝て待て』
NHK総合にて、毎週火曜22:00~放送
出演:桜井ユキ、宮沢氷魚、加賀まりこ、福士誠治、田畑智子、中山雄斗、奥山葵、北乃きい、西山潤、土居志央梨、中山ひなの、朝加真由美
原作:水凪トリ『しあわせは食べて寝て待て』
脚本:桑原亮子、ねじめ彩木
音楽:中島ノブユキ
演出:中野亮平、田中健二、内田貴史
制作統括:小松昌代(NHK エンタープライズ)、渡邊悟(NHK)
写真提供=NHK























