“のぶ”今田美桜は“嵩”北村匠海にとってのアンパンマン? 『あんぱん』第4週から考察

『あんぱん』“のぶ”はアンパンマンなのか?

 嵩(北村匠海)にとってのアンパンマンは、のぶ(今田美桜)なのかもしれない。そう思わせるシーンが、NHK連続テレビ小説『あんぱん』第4週に組み込まれていた。

 『あんぱん』は、国民的アニメ『それいけ!アンパンマン』の生みの親である漫画家・やなせたかし(本名:柳瀬嵩)と、その妻の小松暢夫妻の半生がモデルの物語。戦前、戦中、戦後の時代を生き抜き、“逆転しない正義”を体現した『アンパンマン』を生み出すまでの愛と勇気の物語を描いており、作中に『アンパンマン』を彷彿とさせる要素が随所に登場している。今回は第4週の『アンパンマン』に関する小ネタを紹介する。

 4月11日に放送された情報番組『午後LIVE ニュースーン』(NHK総合)内にて『あんぱん』登場人物の衣装についてのこだわりが明かされた際、のぶのオレンジの衣装は「ドキンちゃん」に由来しているとのことだった。本作の脚本を担当する中園ミホの公式インタビューでも「暢さんって『アンパンマン』に登場するドキンちゃんのモデルだと言われていて。あとから気づいたんですが、今田さんもドキンちゃんとそっくりなんですよ! 改めて“今田さんでよかったな”と思いました」と語っていることから、のぶ=ドキンちゃんに当てはめていることは確かなのだろう(※)。

 しかし、4月23日に放送された第18話に、「のぶ=アンパンマンなのでは?」と感じるシーンが。叔父・寛(竹野内豊)から「何をしながら生きるのか、見つかるまで必死でもがけ」と言われた嵩は、それを見つけるために高知第一高等学校の受験を決意。しかし、迎えた受験の日、母・登美子(松嶋菜々子)が受験票を神棚に上げて祈っている間に、嵩は受験会場に向かってしまう。

 気づいた登美子は、のぶに受験票を届けてくれるようお願い。その日はのぶの女子師範学校の受験日でもあったのだが、のぶは意を決して嵩のもとへと走り出す。そして無事に受験票を届け、自身もギリギリ女子師範学校の試験に間に合うのだった。

 ご存じ『アンパンマン』でのアンパンマンの役割も、「困っている人がいたらどこでも飛んで行くみんなのヒーロー」。このシーンでののぶは、間違いなく嵩にとってのヒーローだった。

 そして4月25日に放送された第20話では、「あんぱんを届けに行く」という明らかに『アンパンマン』を彷彿とさせるシーンも。受験に落ちてしまった嵩を元気づけようと、朝田家のあんぱんを届けにきたのぶ。しかし、そんなのぶに対して、登美子は「嵩はあなたのせいで集中できなかった」と八つ当たりまがいの嫌味を言ってくる。

 受験に落ちたことで、ますます自分が「何をして生きるのか」わからなくなってしまった嵩。その後、行方をくらましてしまい、のぶたちは必死で捜索に当たる。結局、「母さんひとり笑顔にできなかった。僕はいったい、何のために生まれてきたんだろうと考えてきたら……」と線路で寝てしまっていたそう。そんな嵩に、寛は「泣いても笑っても陽はまた昇る。嵩、絶望の隣はねや、希望じゃ」と言葉をかけるのだった。

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