『スター・ウォーズ』はなぜこんなに愛されているのか 人々を熱狂させる“3つの理由”

過日、世界中のファンが集う大型イベント「スター・ウォーズ・セレブレーション」が、17年ぶりに日本で開催された。1999年から続くこのイベントは、新作の発表会であると同時に、世界中から『スター・ウォーズ』ファンが集結し、その熱狂ぶりを確認できるイベントとして知られている。
10万5000人以上の来場者を集め、125の国と地域から人々が訪れたと報じられている(※)。実際、訪れた人に聞いてみたが、会場の半数近くが海外からの参加者ではないかと言っていた。

記念すべき1作目『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』が、4月25日の日本テレビ系『金曜ロードショー』で放送される。同作が公開されたのは、1977年。その人気はいまだに衰えていない。一体何がそんなに人々を熱狂させるのだろうか。
『スター・ウォーズ』が人を熱狂させる3つの理由
『スター・ウォーズ』の熱狂を生み出したのは、1作目の『スター・ウォーズ/新たなる希望(エピソード4)』であることは間違いない。当時としては画期的な映像と音響効果、シンプルで明快なストーリー展開と魅力的なキャラクターたち、奥行きのある世界観はいくら掘り下げても掘り下げきれない深度と広がりを持っている。そこにはクールなデザインのロボットやメカニック、異形の生物などが暮らしており、見たことのない世界が広がっている。
『スター・ウォーズ』が人を熱狂させた理由。それはこの3つに大別できると思われる。
1. 神話に根ざした“普遍的な物語構造”
2. 最新技術を投入した未知の映像体験と音響演出
3. キャラクターと世界観の“無限拡張性”
神話に根ざした“普遍的な物語構造”
『スター・ウォーズ』の生みの親、ジョージ・ルーカスが本シリーズ制作のために神話学者ジョゼフ・キャンベルの『千の顔をもつ英雄』を研究したことは、よく語られている。
キャンベルは世界中の神話を研究し、そこにはある共通のフォーマットがあるとこの本で説いた。英雄が出立し、冒険の中で多くの試練を乗り越えイニシエーションを経験、そして知恵や経験、宝を持ち帰り帰還していく。世界中のあらゆる神話がこの構造の変奏であるとした。身近な例で言えば、日本の『桃太郎』もこの構造に沿っている。

『スター・ウォーズ』は明確にこの構造を踏襲している。片田舎の惑星に暮らす少年ルーク・スカイウォーカーがフォースの力を持つ選ばれし者として旅立ち、仲間を経て、困難を克服していく過程で英雄へと成長していく。世界中に共通の神話の構造を取り込んだからこそ、本作はどこの国でも「馴染みある物語」として受け入れられることになった。
本作は人類が宇宙に進出した遠い未来の物語ではあるが、「遠い昔、はるか彼方の銀河系で……」というテロップで始まるあたり、神話を意識していることがわかる。
初めて観る映画なのに、どこか心の奥底ではなつかしさと親近感を覚えるのが『スター・ウォーズ』という作品の魅力だが、それはこうした普遍的な物語構造によるところが大きい。