劇場版『名探偵コナン』名物“爆破シーン”の遍歴 約30年の歴史から印象深い爆発を振り返る

さらに、2010年代に入ると、爆破シーンのスケールや演出はさらに進化。2010年公開の『天空の難破船(ロスト・シップ)』では、怪盗キッドが登場し、飛行船内という“空中での爆発”という新たなシチュエーションが追加。2012年の『11人目のストライカー』では、サッカースタジアムでの爆破事件が描かれたが、Jリーグ20周年記念プロジェクトとのコラボ作品ということで三浦知良ら5人の選手が本人役で登場し、リアリティのある演出が話題となった。また、2017年の『から紅の恋歌(ラブレター)』の脱出シーンは、セリフが秀逸だった。崖の上にある建物が爆発で倒壊していき、その場にいたら落下して死んでしまう状況で平次と和葉が脱出を試みる。平次のバイクに2人乗りし、後ろの和葉に言ったセリフは「その手ぇ離したら……殺すで」だ。
そして近年で印象的だった爆発といえば、2023年公開の『名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)』で破壊されたパシフィックVだろう。これは清水建設が発表した未来都市プロジェクト・オーシャンスパイラルを彷彿とさせるが、この建設総コストは約3兆円と見積もられている(※1)。ちなみに、公開前年にあたる2022年度の東京都一般歳出予算が約5兆8400億円だ(※2)。このことから、もしパシフィックVが東京都の公共事業だった場合、その再建には都の一般歳出予算の半分以上を要することになる。東京都の財政規模は日本国内でも圧倒的だが、もはや都市レベルの経済危機と言っても過言ではないだろう。
一方で、今回『金曜ロードショー』で初放送される2024年公開の『100万ドルの五稜星』は、過去作と比べて爆発シーンが圧倒的に少なかったことがファンの間でも話題に。函館という舞台設定や武器商人が登場することから、札幌時計台などの建造物が爆破されることを予想する声もあったが、実際には車1台が爆発するに留まり、圧倒的にスケールが小さく感じられた。物語終盤で飛行機に積まれた爆弾が登場するが、服部平次によって阻止され、ファンの爆破への期待は満たされなかった。

『100万ドルの五稜星』では控えめだったが、最新作『隻眼の残像』ではどのような爆破が待ち受けているのか、その規模や影響がどこまで拡大するのか。すっかり劇場版『コナン』の風物詩となった爆発シーンにも注目したいところである。
参照
※1. https://mainichi.jp/articles/20141118/mog/00m/020/011000c
※2. https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/data/tokei/past/yosan_r04
■放送情報
劇場版『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』
日本テレビ系にて、4月18日(金)21:00〜23:19放送
※本編ノーカット・初放送
原作:青山剛昌『名探偵コナン』(小学館『週刊少年サンデー』連載中)
監督:永岡智佳
脚本:大倉崇裕
音楽:菅野祐悟
声の出演:高山みなみ、山崎和佳奈、小山力也、山口勝平、堀川りょう、宮村優子、大泉洋
©2024 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会
■公開情報
劇場版『名探偵コナン 隻眼の残像(せきがんのフラッシュバック)』
全国東宝系にて公開中
キャスト:高山みなみ(江戸川コナン)、山崎和佳奈(毛利蘭)、小山力也(毛利小五郎)、林原めぐみ(灰原哀)、高田裕司(大和敢助)、速水奨(諸伏高明)、小清水亜美(上原由衣)、岸野幸正(黒田兵衛)、草尾毅(安室透)、飛田展男(風見裕也)、鮫谷浩二(平田広明)
原作:青山剛昌『名探偵コナン』(小学館『週刊少年サンデー』連載中)
監督:重原克也
脚本:櫻井武晴
音楽:菅野祐悟
アニメーション制作:トムス・エンタテインメント
製作:小学館/読売テレビ/日本テレビ/ShoPro/東宝/トムス・エンタテインメント
配給:東宝
©2025 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会
公式サイト:http://www.conan-movie.jp






















