『名探偵コナン』降谷零の凄さ、安室透としての重要性 推理力だけじゃない“大人”の魅力

1月18日に読売テレビ・日本テレビ系にて放送された『名探偵コナン』第1150話「怪盗キッドと王冠マジック(前編)」。そこで遂に安室透役の新たな声優を草尾毅が務めることが発表された。放送まで極秘事項だったため草尾の妻であり、同じく声優である斉藤佑圭も驚いた様子をXに投稿したことが話題となった(※)。
キャラクターの登場自体はなくわずか数秒、電話越しでのセリフだったが、それでも2024年6月末から後任の発表を待っていたファンにとっては遂に、という瞬間だったことだろう。「怪盗キッドと王冠マジック」は、世界最大級のトルマリン(ビッグジュエル)が埋め込まれた王冠を狙って、キッドが鈴木次郎吉やキッドキラーと名高いコナンに挑むエピソードである。
※以下、第1151話「怪盗キッドと王冠マジック(後編)」の内容に触れています
対キッド用の防犯設備が用意される中、デリバリーをしていた榎本梓も出入りしていた。一度は現場を離れた彼女だが、喫茶ポワロに帰り安室透に経緯を説明すると、すぐに事件を推理してしまう彼。「この程度の推理、彼(コナン)ならもう……」と現場を信頼する彼だったが、安室の推理を聞いた梓が急いで彼らに伝えようと再び展示場に向かってしまう……。前回が電話越しの一言だったのに対し、第1151話はより草尾による新たな安室の声色が堪能できそうだ。
探偵として、江戸川コナンの協力者として
毛利小五郎の弟子として探偵を務めるだけあって、安室の推理力は伊達ではない。初登場時では小五郎の高校の同級生が巻き込まれた事件で、私立探偵の立場で他殺の線で推理を披露するが眠りの小五郎(コナン)により自殺であると、その考えを覆される。それがきっかけで彼は弟子入りをするのだが、実際のところ彼の推理力は高い。この時だって、わざと推理を間違えたフリをして接点を作ったのだ。
この頃、安室は赤井秀一の死を疑っていた。そして「ブラックインパクト!組織の手が届く瞬間」シリーズで小五郎がFBIと関係があるのではと疑った彼が、探りやすくなるために近づいたのである。のちに安室の推理力の方が高いのではと毛利蘭に見抜かれていたほど。そんな彼の素顔が公安警察の頂点・警察庁警備局警備企画課(ゼロ)に所属する降谷零であることは、もう周知のことである。
情報収集や観察、洞察に長けており、これはもう一つの顔、黒の組織所属のバーボンでも活かされている。しかし降谷は身体能力にも長けていて、趣味のボクシングを活かした格闘術を得意とする。バランス感覚にも優れていることが、劇場版『名探偵コナン 純黒の悪夢』の観覧車上での戦いから十分に窺い知れるだろう。他にも運転に料理、ピッキングに爆弾処理など得意なことが多すぎて、できないことを探すことを探す方が難しい。
もちろん、そんな降谷が公安であることを見抜いたコナンはそれ以降、彼を信頼しているし、降谷もコナンを信頼している。劇場版『名探偵コナン ゼロの執行人』や劇場版『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』でも降谷とコナンが協力しあっている姿が印象的だった。しかし、そんな圧倒的な存在とも言える“降谷零”ではなく、“安室透”だからこそできることもたくさんある。