奥智哉、『べらぼう』徳川家基役で残した爪痕 著しい“積み上げ”が光る役者に

NHK大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』の第15回「死を呼ぶ手袋」にて、徳川家基役の奥智哉が最後の出演となった。
奥が演じた家基は幼いころより聡明で文武両道、政治への関心が高く田沼意次(渡辺謙)の政策を批判していた。第15回でも米の値を安定させる方法を学んでいる様子が描かれており、それは田沼の知恵を用なしにするため。江戸幕府十一代将軍として将来を期待されていたが、鷹狩に出かけた際に毒を盛られてしまい、亡くなってしまう。

家基は出演シーンのたびに観ているこちらが心配になるほど爪をぎりぎりと噛みしめ、その強すぎるインパクトに毎回驚かされていたが、それが暗殺のトリックに使われてしまった。若々しさと聡明さが入り混じる人物だったが、実直ゆえに、政治的な流れに翻弄されたのだろう。
奥は現在20歳。大河初出演となる『べらぼう』では、石坂浩二、渡辺謙、眞島秀和といったベテラン俳優陣から学ぶことも多かっただろう。4月14日に放送された『午後LIVE ニュースーン』(NHK総合)にVTR出演し、「撮影の毎シーン、毎シーンが濃いな、濃すぎるなって。本当にすごく気さくな方で、僕みたいな若い人にも話を合わせてくださった。本当に『べらぼう』の現場はみんなが温かくて、すごく居心地がいい現場でした」と振り返る。そして、「渡辺謙さんから(自身の愛称である)“おっくん”って呼んでもらえましたね。すごく嬉しかったです」というエピソードも語るなど、共演陣と距離が近かったことが伺える。

奥はもともと中学生の頃から芝居を始めていて、正式な俳優デビューは2020年のNetflixシリーズ『FOLLOWERS』。近年はドラマを中心に出演作を重ね、その多くの作品で印象に残る役を演じてきた。振り返ると、錚々たる俳優陣との共演経験が奥にとってのかけがえのない財産となっていることが分かる。
2021年には『仮面ライダーリバイス』(テレビ朝日系)に出演し、牛島光/仮面ライダーオーバーデモンズ役を演じた。翌2022年に放送された『みなと商事コインランドリー』(テレビ東京系)では爽やかで甘酸っぱい高校生の明日香役を演じ、同年の二宮和也主演の映画『ラーゲリより愛を込めて』で映画初出演。二宮と北川景子が演じた夫婦の長男・顕一役を演じ、北川や安田顕との共演から大きな刺激を受けたことを明かしていた。(※1)





















