吉本ばなな×奈良美智による小説『ひな菊の人生』劇場アニメ化決定 監督は湯浅政明

劇場アニメ『ひな菊の人生』2026年公開へ 

 吉本ばななによる小説『ひな菊の人生』が、劇場アニメとして2026年に公開されることが決定した。 

 原作は、30カ国以上で翻訳・出版され、著者累計700万部を超えるベストセラー作家吉本ばななによる小説。1998年11月号から2000年1月号まで月刊誌『CUT』で連載され、吉本による小説を読んで喚起されたイメージを奈良美智が描き、またその絵の力をイメージしながら吉本ばななが書く……。そんな魂の交信から生まれた物語を映画化するのは、『ピンポン THE ANIMATION』や『映像研には手を出すな!』などを手掛け、『犬王』で第80回ゴールデングローブ賞にもノミネートされた湯浅政明。2025年2月に設立した自身のスタジオame pippinの第1作目として、ファンタジックなイメージとともに新しい映像体験に挑む。

 脚本は、黒沢清監督の『散歩する侵略者』や濱口竜介監督の『寝ても覚めても』などの脚本を手掛けてきた田中幸子が担当。本作が自身初のアニメーション脚本となる。幼少期のキャラクターは、世界の主要美術館に所蔵され、アジアでも絶大な人気を誇る奈良美智の原作挿画をもとに制作された。なお、吉本原作の作品がアニメ化されるのは本作が初となる。

 また本作は、世界最大規模のアニメーション映画祭として知られるアヌシー国際アニメーション映画祭2025「Work in Progress」部門への選出が決定。現地時間6月13日には、湯浅監督らが登壇し、現地のファンや世界の関係者に向け、現在制作進行中である本作のプレゼンテーションを行う。

 幼い頃に、ただ1人の家族だった母を事故で亡くしたひな菊。長く寂しい梅雨の夜、小さなひな菊はひとり、たて笛を吹く。その音を聞きつけてはやって来て、彼女を唯一支えたのは親友のダリアだ。ダリアが母の故郷ブラジルへと旅立ち十数年。大人になったひな菊は、叔父と叔母が営むお店で焼きそばをつくりながら居候生活をしている。梅雨のある日、母を亡くした夜と同じ土砂降りの中、ブラジルから1通の手紙が届く。そこには、遠く離れ、二度と会うことのなかった二人の孤独な魂の不思議なつながりが記されていて――。

 また、劇場アニメ化決定に際し、吉本、田中、湯浅監督の3名からはコメントも到着している。

コメント

吉本ばなな(原作)

常に同じものを見ている感じがする湯浅監督に撮ってもらうのは、私の夢でした! 湯浅監督は真の意味で「動き」を表せる人です。登場人物たちそれぞれの内面が動きになる瞬間を見ることができて幸せです。

田中幸子(脚本)

湯浅監督&ばななさんの原作&奈良さんのキャラ! この企画に携われてとても光栄です。監督の溢れる想像力を必死に受けとめ、人間のやさしさと繊細さと強さ、主人公の心の動き……大切にしたいことが山ほどあります。

湯浅政明監督

ばななさんの中でも終始絵が想起される小説で、生々しく怖い部分がありながら、最後のくだりは、昔 自分が夢想していたような、とても嬉しい内容でした。
半径100メートルくらいの下町の焼きそば屋さんの人生を、宇宙規模で描きたいと思います。

「ame pippin」ロゴ

■公開情報
『ひな菊の人生』
2026年全国公開
原作:『ひな菊の人生』吉本ばなな(幻冬舎文庫刊)
監督:湯浅政明
脚本:田中幸子
キャラクター原案(幼少期):奈良美智
アニメーション制作:ame pippin、Miyu Productions
製作:Daisy's Life Film Partners (日仏共同製作)
配給:アスミック・エース
公式X(旧Twitter):@amepippin_info
公式Instagram:@amepippin_info

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