『ガンニバル』供花村と後藤家の関係性が明らかに 中島歩演じる新キャラ“理”の不気味さも

4月9日に配信がスタートした、ディズニープラス スター オリジナルシリーズ『ガンニバル』シーズン2の第6話は、前回描かれた時代から3年後、1952年の冬から始まる。飢饉が続く供花村の村人二人が山に入ると、そこに幼い少年が現れる。その口にくわえられていたのは人間の指。一人は村へと逃げ帰り「銀の仕業じゃ」と、3年前の祭りの夜に“来乃神に捧げられた”はずの後藤銀(恒松祐里)の名を口にする。
その言葉通り、森の奥深くで生きていた銀。その傍には、まだ小さな彼女の息子・白銀(しろがね)の姿もある。捕まったもう一人の村人は彼女の毒牙にかけられており、完全に狂ったかのような銀のおぞましい姿と、真っ白な雪と鮮血のコントラスト。オープニングからかなり攻めたシーンで幕を開けた今回は、現代までつづく供花村と後藤家の関係性がはっきりと明らかにされるエピソードとなる。そのカギを握る存在が、前回のラストで銀の前に現れた“カシハベ”という山賊たちである。
今回その詳細と、そこに付随した後藤家の歴史が、金次(豊原功補)と吉宗(テイ龍進)のやり取りのなかで語られている。江戸時代に供花村に飢饉が起きた時、来乃神神社に生贄として捧げられていた子どもを盗みだし、それを食べて生き残った“カシハベ”。しかし彼らのなかで“狂い病”(シーズン1の終盤で詳しく語られていた、食人によって発症する脳の変性疾患であり、クールー病とも呼ばれている)が流行り、彼らは村から追い出される。そんなカシハベをかばった後藤家も、村人たちから差別を受け、田畑を取り上げられて荒地へ追いやられたというのだ。
ちなみにドラマ版では語られていないが、原作で描かれていた、後藤家が巨万の富を築いた経緯もここにつながっているのだろう。農地に適さない場所に追われ、林業を始め山を切り拓いた結果、銅が採掘される。政府と後藤家の間を吉宗が取り持ち、その結果、後藤家は供花村のなかで特別な存在となる。いわば後藤家と来乃神神社との根深い癒着構造を、血がつながっていないとはいえ後藤家の人間である銀と、彼女に唆された来乃神神社の跡取りである正宗(倉悠貴)がひっくり返そうというのである。
村人たちの前で父・吉宗と後藤家との癒着を非難することで、村人たちをまんまと焚き付け、後藤家潰しの旗振り役となる正宗。村人たちが群れをなして後藤家へと向かい、そこで繰り広げられる戦争さながらの凄惨な争いごとは、シーズン2の第2話で描かれた後藤家と警官隊との衝突と通じるものがある。事情は違えど、同じような泥沼の争いを人は繰り返し、歴史というものが紡がれていく。そして戦いの果てに現れたカシハベは、後藤家の女性たちを襲う。そこで語られていたように、現代パートで描かれる“後藤家”には少なからずカシハベの血が混ざっているというわけだ。






















